女子大学と聞くと、日本では「就職に強い」「資格に強い」というイメージですが、韓国の女子大学はどのような特徴を持ち、今後の展望はどうなるのでしょうか？ この記事では、韓国の女子大学に焦点を当て、その教育環境や役割、また日本との違いについて詳しく探求してみようと思います！
韓国における女子大学の特徴
韓国には合計で14の女子大学が存在します。2/3年制と4年制の大学がそれぞれ7つずつ存在し、すべてが私立学校として運営されています。また、韓国の女子大学は学業の難易度が高く、高い成績を取るのが難しいとされています。学生たちが一生懸命勉強に取り組む雰囲気が校内に広がっており、競争が激しいことが一つの特徴です。そして、充実した就職支援も女子大の魅力です。
日本の女子大学と同様に韓国の女子大学も、学生たちの職業適性を向上させるために様々なプログラムを提供しています。就職支援では、1対1の相談や創業支援プログラム、外部講演が頻繁に行われ、学生一人一人の職業目標に合わせたサポートが行われています。他の四年制大学と比較すると、衣類学科やデザイン学科が人気で就職率も高いです。最近では、大手化粧品企業などが学生たちに向けて説明会を開催し、キャリアアップクラスを開くなど、これらの分野で高品質な教育が提供されています。
アモーレパシフィック共感財団が就職準備中の淑明女子大4年生を対象に「就職準備青年メイククラス」を進行。出典:アモーレパシフィック・エンパシー財団が「即戦力ユースメイクアップクラス」を実施 – 健康トレンド (k-health.com)
韓国の女子大学紹介ー梨花女子大、淑明女子大、誠信女子大、ソウル女子大
ここで韓国の女子大のうち代表的な4校についてご紹介します。
- ◾️梨花女子大学
ソウル特別市に位置する私立総合女子大学で、韓国初の女性教育の学校です。名門お嬢様大学として有名で国内で唯一、米ハーバード大学のSummer Schoolの文化と言語体験プログラム、HCAPプログラムを取り入れており、その優れた学習環境は韓国最高の言語教育機関として評価が高いです。社会福祉学部、看護学部、国際学部、女子大学内工学部（世界初）、キャンパスツアー、学部内の脳・認知科学専攻など、梨花女子大学が国内初で始めたものも多く、先進性と歴史を兼ね備えた大学です。
＜特徴＞女子大として最大級規模ー日米の女子大と比較しても最大級規模の15,000人を超す学生数を誇り、学部構成においても社会学部系、理系学部系を備えた総合大学として、日本の女子大の位置付けとは一線を画しています。提携している海外の大学の数や留学生の数もずば抜けて多く、世界的に見ても特異な女子大と言えるでしょう。
- ◾️淑明女子大学
1906年に大韓帝国の皇室が設立した「明新女学校」から出発した私立女子大学です。設立者は高宗皇室で、貞淑・賢明・正大で、韓国的な女性指導者の育成を目的としていました。大学略称は「スックデ」で、学校カラーは「淑明ブルー」を使い、「世界を変える優しい力」をスローガンにしています。
＜特徴＞愛校心ー大韓帝国の皇室から立てられた女性教育機関だというプライドがあります。在学生も卒業生も誇りを持っています。在学生の満足度も高く、所属感も強いです。可愛い学校のグッズもたくさんあります。再び受験しても淑明女子大学を選ぶという学生が多いです。また全般的に在学生が誠実で真面目です。頑張るスクールメートを見て刺激を受けたり、ポジティブな影響を受け、成績や能力の上向きに繋がっています。
- ◾️誠信女子大学
ソウルに本部を置く4年制の私立女子大学です。附属小学校から中・高・大学・大学院教育に至るまで全ての正規教育システムを持っています。「誠信、知新、自動」という精神と教育理念を継承し、「前人な教養人、創造的な専門人、自律的な実践人」を教育目標にしています。
＜特徴＞総合大学で文科／理科／工科／科学／芸術など多様に扱っており、2011年には第2キャンパス「雲庭グリーンキャンパス」が完成。関連機関と緊密な協力システムを築き、毎年400人あまりの学生を選抜して交流先の海外提携大学に派遣し、中国や日本、アメリカ、モンゴル、ロシア、タイなどからも留学生を受け入れています。同志社大学、法政大学、東京女子大学などと交流しています。
- ◾️ソウル女子大学
ソウルに位置するプロテスタントの4年制私立女子大学校。 スローガンにある「教える大学」としてしっかりとしたカリキュラムを備えています。2016年、ソウル市内の女子大学の中で初めてソフトウェア中心大学に選定され、関連学科に多くの支援を行っています。
＜特徴＞起業支援プログラムー起業教育センターにて、優秀で斬新なアイディアで起業に挑戦しようとする学生を積極的に支援しています。また進路就職支援プログラムも充実しており、就職教科や様々なプログラムを運営しています。就職情報の提供や推薦採用、企業の現場実習に加え、1:1の相談を行うなど進路探索から就職準備に至るまで全過程を体系的にサポートしています。
女性の社会進出から見る、日韓女子大の今後
- ＞韓国と日本の女性の社会進出と少子化にみる違い
韓国では、女性の社会的地位が急速に向上しています。高学歴化が進み、女性の77％が大学を卒業しています。現代の韓国女性は、伝統的な家庭内の役割に疑問を持ち、夫と同じように外で働くことに賛成することが多いようです。子供の世話も夫と共に分担することを望んでおり、新しい考え方が韓国の女性に大きな変化をもたらしています。女性の高学歴化により、韓国では男女の大学進学率に差がなくなりました。韓国は国会議員選挙で女性割当制を導入するなど、女性の専門職進出や女性政策の樹立などが活発になっているようです。しかし、一部の女性だけが急速な変化を遂げ、上の世代や社会のシステムはこの変化に追いつけていないという側面もあります。
- ＞日韓女子大の今後
日本でも女性の社会進出が進んできましたが、日本の女子大学が依然として高い就職率を維持している背後には、女子大学が提供する専門的な教育が人文・家政系に偏って構成されているため、総合職よりも一般職や事務職の需要に合致しているという事実があります。一方で、韓国は女子大学の比率が小さく、ほとんどが文理学科を持つ総合大学として構成されているところが日本とは違う点です。過去には韓国では女子大の就職率が高かったものの、近年、理工学系列(電子・IT学科)の人気が高いため、大手への就職という面では他の四年制大学と差がつくようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は韓国の女子大学について紹介をしながら、日韓の女性社会進出から見える、女性の立場の部分まで調査してみました。女子大学は日本と韓国の女性の社会進出に異なる影響を与えており、両国ともに近年の女子大学に対する価値の変化が感じられました。女子大学が提供する教育プログラムや就職機会は、女性のキャリアにおいて重要な要素となっており、今後も女性の社会進出がより多くの分野で進展することが期待されます。
参考文献
6女子大学の記者が語る女子大学のメリット – OhMyNews
アモーレパシフィック・エンパシー財団が「即戦力ユースメイクアップクラス」を実施 – 健康トレンド (k-health.com)
【大学情報】ソウル内の女子大学をランキングで紹介 – おうちコリア留学 (owchikorea.com)
韓国大学紹介Vol.9【梨花女子大学】 – 韓国人採用ナビ (bwell.jp)
韓国大学紹介Vol.33【誠信女子大学】 – 韓国人採用ナビ (bwell.jp)
韓国大学紹介Vol.16【ソウル女子大学】 – 韓国人採用ナビ (bwell.jp)
日本の女性「母のように生きたい」 韓国は「母のように生きたくない」（１） | Joongang Ilbo | 中央日報