企業の採用活動において有益な情報を提供し、悩みをサポートする採用コンシェルジュ。今回は、株式会社ビーウェルインターナショナルで、企業と韓国人学生のマッチングに関する全ての業務をサポートする馬場隆大さんに、採用コンシェルジュの仕事や韓国人採用の特徴について、お話を伺いしました。
日本企業の韓国人採用における全ての業務をオンラインで全力サポート
―馬場さんは、日本企業の韓国人採用コンシェルジュを担当されているとお聞きしたのですが、入社当時からその業務だったのですか?
いえ、親会社である株式会社ビーウェルで2年ほど、人材に関わる営業業務やコンサルティング業務に携わっていました。しかし結婚を機に地方に活動拠点をおくこととなり、2021年4月から株式会社ビーウェルインターナショナルで、韓国人採用の企業サポートをリモートで行っています。必要があれば、現地イベントや担当企業に足を運びますが、基本はオンラインでの採用サポートとなります。
―オンラインで、どのようなサポートを主にされているのですか?
KORECの求人サイトは、一ヵ月ごとにエントリーの締め切り日があり、締め切り日の翌日以降からエントリー者の選考が一斉にスタートします。韓国人を初めて採用する企業が多いので、エントリーシートを参考に、能力が高いと思われる学生をクライアントと一緒に選定し、座談会やグループ面接へと呼び込みます。
また韓国人採用の特徴を踏まえて、選考フローの策定や内定出しのタイミングなど、その都度必要な情報の提供を行っています。内定後は、就労ビザの情報提供など、入社までのサポートを行っており、その企業に合ったサポートを常に心掛けています。
―採用活動は、エントリーから内定まで、どのくらいの期間が必要ですか?
「エントリーシート選考→WEB選考2、3回→内々定」を約二ヵ月で行う企業が多いです。韓国の企業は会社説明会をあまり開催しないのですが、KORECの日本の企業様には志望度醸成のため、会社説明会や座談会を必ず開催してもらうようにしています。韓国人採用の場合、応募者の約半数は既卒者なので、内定を出した後から内定承諾までの期間が短いですね。
―内定を出すと、承諾率は何パーセント程でしょうか?
そうですね、もちろん企業によりますが、約50パーセント程だと思います。内定辞退率は日本人と同じくらいある印象です。ただ、私が担当した中小企業様は3名に内定を出して全員に内定承諾をもらった企業があります。面接の印象や内定通知面談で大きく変わってくると思います。、
―何か特別なことをされたのですか?
その企業は内定出しの際、人事担当者だけでなく、先輩社員や、役員、社長らがサプライズで登場し、皆で内定を伝えたのです。そして、社長は自ら書いた手紙を読み、内定者の長所や入社への期待を伝えました。韓国人学生は、幼少期から競争社会で育ち、学歴やスキルに劣等感を感じることが多いので、企業から必要とされることで自信につながり、異国での入社を決定するに至ったと聞きました。
―採用企業の熱い思いが、韓国人学生に伝わったのですね。
はい!その企業は、お試しで韓国人採用を始めたのですが、韓国の優秀な人材を目の当たりにして積極的に採用活動をするようになりました。韓国人採用の良さを知って頂くことができたと感じています。
韓国人学生は本音が見えにくい!?
―日本企業の採用担当が感じる韓国人学生の傾向は?
韓国では学歴やスキル・資格などのスペックが重要視される「スペック採用」が主流となっていますが、日本では、学歴やスキルだけでなく、コミュニケーション能力や人柄なども重視して、将来の成長可能性で採用する「ポテンシャル採用」が主流となっています。
韓国人学生の中には、自分の能力の高さをアピールしたいがために「面接用の自分」を作りすぎている人が多く、日本企業の採用担当者は「学生の本音がみえにくい」と感じることもあるようです。
ソウルにある韓国人学生向けの「就活カフェKOREC」では、こういった日韓の採用スタイルの違いや、カルチャーマッチングについて、重点的に学生へ指導するようにしています。
―「就活カフェKOREC」との連携は重要ですね。
KORECの運営サイドと私たち採用コンシェルジュが情報を共有し、双方が要望を出し合って密に連携することで、日本企業と韓国人学生のマッチングの精度を高めることができると考えています。例えば現在、全体の7割程度がエンジニア職の求人となっており、IT系の学生を募集している企業が多いことから、エンジニア人材の強化をテーマにミーティングをするなど、その時々の双方の状況を鑑み、より良い方向に進めていけるよう連携しています。
韓国人学生は勤勉で、メンタルが強い人が多い!
―日本企業の採用をサポートする一方で、多くの韓国人学生とも面談し、双方と密に接する馬場さんからみた韓国人学生とは?
私が韓国人学生と面談をするケースとして、企業側が内定出し前に口説きたい学生がいた場合や、評価の高かった学生の感触を面談で確認してほしいという要望を企業から受けた場合、また私が選考やイベントで知り合った学生から面談してほしいと要望された場合などがあるのですが、本当に皆さん、真面目で勤勉、そしてメンタルの強い人が多いです。
多くの学生に会うことで、高学歴の限られた学生だけでなく、さらに幅広い学生が一人でも日本に就職するきっかけをつくりたいと考えるようになりましたね。
―日本企業との出会いの場の一つであるオフラインイベントの開催予定はありますか?
まだコロナの影響で、現地採用イベントのようなオフラインイベントは制約があるのですが、いつでもコロナ禍以前のようにイベントを開催できるよう、「就活カフェKOREC」と連携して準備をしています。
韓国人採用は通年採用なので、どのタイミングでも採用活動ができるところも採用活動のメリットではないでしょうか。韓国採用でご不明な点があれば、是非お問い合わせください!
まとめ
韓国人学生は、常に競争社会の中に身を置き、学力やスキルを必死に伸ばし、精神面も鍛えられた人が多くいます。そういった韓国人学生が入社することで、まわりの社員が刺激をうけ、組織全体の活性化にも良い影響を与える可能性も考えることができます。
自社で活躍する人材を幅広く募集する上で、韓国人採用を検討する価値は十分にあるのではないでしょうか。
こちらもおすすめ
「就活カフェKOREC」に込めた思い 【春日井萌さんインタビュー 】
ソウルでKORECカフェを運営する代表の春日井萌さんへのインタビュー記事です。