【韓国人材の採用企業インタビュー】株式会社k-Hack様:前編

株式会社k-Hack様は、釧路市などが出資して設立された全国でも初めての官民連携IT企業です。コンピューターシステムおよびコンピューターソフトウェアの開発・保守・運用、インターネットを利用した各種情報提供サービス事業および通信販売業務、地域の人材育成・能力開発のための教育・研究事業を主とされています。地元の学生や外国人採用に積極的で、将来的にはスタートアップ企業の創業などにつなげていきたいとのこと。KORECを通じて韓国人材を7名採用されました。採用に至るまでの過程やフォローについて、澄川社長に詳しく教えていただきました!

丁寧な説明と生活環境・仕事環境の提供に注力

ーまず、韓国人材採用に至るきっかけを教えてください。

当社はそもそも採用に関して国籍にはこだわっていませんが、日本語での対話が一定レベル必要であったため、面接での受け答えがとても優秀だった韓国人学生の皆さんを採用させていただきました。私自身これまで新卒・中途採用の業務に携わってきた経験から言うと、採用してもらえたら全力で働きます!という意欲が感じられるのが韓国人学生の特徴ですね。実際に勤務してもらっていてもそこに違和感はありません。

ー地方都市での人材獲得のコツを教えてください。

1:所在地の特徴を丁寧に説明する

韓国人学生の皆さんは、ほぼ日本=東京または大阪か福岡ぐらいしか知らないと思ってます。なので、私たちの会社は北海道という日本の北側にあること、釧路市はココで例えば、寒さが厳しい、家賃相場が安い、オフィスまでの距離は何分ぐらいなど生活環境がイメージできるように、誇張せず嘘をつかず、包み隠さず説明することを徹底しました。些細な疑問や質問に対しても丁寧に答えるようにしていましたね。

逆に言うと、都会がいい、東京がいいという「立地」にこだわる方は当社にはそもそも向いていないし。そこはもう個々の希望が最優先事項となりますので割り切っています。

2:外国人の賃貸契約に対して経験豊富な不動産会社と提携

当社は、外国人が住むことに慣れている不動産会社と提携しています。各種手続きや彼らが不安になりやすいパターンなどを把握されているので、安心なんです。豊富な経験とノウハウを持っているところだということで新しい生活にも安心してもらえる配慮をしています。

3:社員寮完備

地方就職を選択するメリットの一つに、生活コストを抑えて貯金ができることもあると思います。お金はモチベーションの一つに直結していると考え、家賃が安くすむ社員寮を完備しています。

4:社用車利用可

社用車を2台用意しており、休日利用も可能にしています。もちろんガソリン代込みという充実したシステムです。実際はまだ国際免許が取れている社員が少ないのでこれからもっと利用して生活に活かしてもらいたいですね。

5:オフィスの立地と内装

釧路市内でも公共交通機関が集まってる都市部にオフィスと社員寮を構えています。生活の不便がないように、大型商業施設へのアクセスや旅行や帰省にも支障がでないように配慮しました。またオフィスの内装にもこだわりました。働いているのは20代ー30代の若者です。彼らにとって居心地のいいオフィス環境を整えるのは必要事項です。落ち着いて、自信を持って自慢できるような、メジャーシーンにいるという意識を失わないように。社用端末も全て最新のMacを揃えて提供しています。きちんと社員として投資を受けていること、エンジニアとしてプロの仕事をしているという意識醸成のためにハード面は徹底してこだわっています。

北海道・釧路で地域創世の一翼を担う人材育成のために

ー充実したサポート体制以外に注力された点はありますか?

会社全体であなたをサポートします!という姿勢や意識を伝えたいと思います。それは外国人だけではなく日本人に対しても同じことで、いわゆる「移住者へのサポート」のイメージと同じですね。地域、そして会社への信頼に繋がっていくことになります。

また、社員同士のコミュニケーションも重要です。入社のタイミングがズレてしまっても、Slackで繋がってもらって、ざっくばらんにコミュニケーションをとってもらいました。Slackはハングルの利用ももちろんOKですし、より近い距離感で対話することで、不安を払拭してもらえるよう配慮しました。

ー一番重要視した採用基準を教えてください。

「良い人」かどうかです。人を助けることができたり、常識的な方かどうかを見ていますね。組織作りとしても「悪い人」が入ると「良い人」が損するような組織になってしまいます。面接でも、当社の方針を説明した後に「あなたは良い人ですか?」と聞きます。もちろん基準なんてないのですが、良い人かどうか迷いつつもきちんと正直に答えてくれるかどうかだけですから。

もう一つは、野心を持っているかどうか。エンジニアとしてスキルを当社で身につけてステップアップすることは構わないけれど、そのために人間関係まで壊してしまうような人は採用できません。

ー韓国人採用の良さを改めて教えてください。

個人差はありますが、彼らの感覚が、就職氷河期であった自分が新卒の頃と似ているなと思うことが多いです。縦社会、上下関係の意識が少し強いのは韓国文化ならではなのかもしれません。日本の職場では消えかかっていることかと思いますが、非常に真面目で、上下関係をしっかり意識した行動と発言をしてくれるなと思います。そして向上心、自らの野心というか将来的な目標ーエンジニアとして食べていくんだ!という覚悟が見えます。スキルをしっかり身につけてやるぞという感覚を持っていますね。当社は人を育てて排出することも目標としているので、その気概がある方であれば韓国人学生だけに捉われない採用活動を今後も予定しています。

まとめ

今回は、釧路市などが出資して設立された全国でも初めての官民連携IT企業k-Hack様にお話を伺いました。地方企業が韓国人学生を採用する際に気をつけておきたいポイントがわかり、実際の生活環境や職場環境まで配慮されていることはとても参考になりました。次週に続く後編では実際に働いている皆さんにアンケートを実施したのでそちらもどうぞお楽しみに!