優秀な韓国人材を逃さないために!内定出しの際に行うべきこととは?!

【韓国人採用を成功させるコツ②内定者フォロー編(https://bwell.jp/korec/magazine/archives/1132)】でもお伝えしましたが、韓国人採用を成功させるための一番のポイントは、「内定を承諾させること」と言っても過言ではありません。なぜなら、優秀な韓国人学生には複数社からの内定が集まるがゆえ、他社との取り合いになってしまうからです。せっかく時間とコストをかけて採用した“欲しい”学生に確実に入社してもらうには、「内定出しの際のフォローの質」が大きく関係します。

そこで今回のコラムでは、内定出しの前後で準備をしておきたい事柄や、取り組んでいただきたい事柄について解説をしていきます。

1.内定の伝え方を工夫する

皆さんの会社では、学生への採用通知をどのように行っていますでしょうか。多くの企業の場合、電話(もしくはメール)で伝え、通知書を送付するといった流れで実施されているかと思います。基本的な方法としては問題ありませんが、ここでひと工夫を加えていただきたいのが、採用通知時に併せてその学生への「フィードバックを伝える」ということです。面談や面接を通して感じたその学生の長所や能力、自社の価値観とのマッチング等について、是非具体的な言葉で伝えていただきたいのです。

実際にKORECに登録している韓国人学生に話を聞いてみると、買い手市場である韓国の国内企業の採用において、このようなフィードバックを行う企業はほとんどないようです。すなわち、「あなたに入社してほしい」という意思が伝わってこなかったという意見も学生から挙がっています。

一方で、ある日本の中小企業の内定を受諾した韓国人学生(Aさん)からは、こんなエピソードを伺いました。Aさんがこの日本企業の最終面接を終えたのは3日前。そろそろ採用・不採用の連絡が来るかなと思っていた矢先、先方の人事担当者からZoomのURLが送られてきました。採用通知であればメールか電話で伝えられるだろうと考えていたAさんは、その時点で少し驚いたそうです。そして指定の時間にZoomに繋いだところ…人事担当者だけでなく、リクルーターとして接触した現場社員や、最終面接で話をした社長や役員、総勢5名が画面の先に待機していました。そして全員が声を揃えて、「おめでとう、内定だよ!」の祝福の嵐。そんなサプライズにAさんはとても感動したと言います。

その後のミーティングでも、それぞれの社員の方がAさんの良かったところや、うちの会社でこんな活躍をしてほしいといったことを丁寧に話してくれたそうです。既に他社からも内定をもらっていたAさんは、正直はじめは他社の内定を受諾する予定だったと言いますが、この会社の熱意と社員の人柄、そして何よりも自身を必要としてくれるという点に心を動かされ、気持ちが変わりました。

フィードバックには「承認」の効果があります。人は誰しも承認されたいという欲求を持っており、もちろん就職活動中の学生にとっても、自分が承認されているという感覚を持つことは、とても意義深いことと言えるでしょう。是非内定出しの際の一工夫で、欲しい人材へ刺さるアプローチをしていただければと思います。

2.内定者の家族に対しても、誠意を伝える

もう一点、興味深いエピソードがあります。こちらも同じく日本の中小企業の内定を受諾した、韓国人学生(Bさん)の話です。Bさんがこの日本企業から内定をもらったのはコロナ禍の前でした。実際に最終面接の際も来日し、会社に対しても好印象を抱いていたというBさん。無事に採用通知をもらい、ほっとしたのもつかの間、両親に内定の報告をしたところ、何となく煮え切らない感触だったそうです。Bさんのご両親としては、最愛の我が子が異国の地で働くこと自体が心配だったと考えられますし、あまり知名度の高くない会社だったこともあり、本当にその会社で良いのかという不安があったのでしょう。

そんな様子を、Bさんは率直に内定先企業に伝えました。すると企業の人事担当者から、驚くべき返答が。「来週以降、BさんとBさんのご両親が都合の良い日時はありますか?社長がご挨拶に伺います。」とのことだったのです。Bさんはまさかと思いましたが、日程を連絡したところ、本当に社長がBさんの住む街までやってきました。そしてご両親との会食の席で、自社の事業内容やBさんの活躍イメージを直々に語ってくれたそうです。予想外の対応にBさんのご両親も胸を打たれました。自分の息子のためにそこまでしてくれるならと思い、その場で「是非お願いします」とおっしゃっていたそうです。

韓国は文化的に、日本よりも親子の関係性が深いと言われています。KORECの韓国人学生の話でも、(国内外を問わず)内定が出ても親がブレーキをかけたり、親が企業選択の助言をしたりといったことも珍しくないようです。したがって、内定者の家族に対してもしっかりとフォローをしていく必要があると言えます。

対面が難しい昨今の状況では、オンラインでの家族面談も効果的です。その学生のどこが素晴らしかったのかを具体的に伝えることで、内定者自身の不安も自信に変えることができるでしょう。

3.まとめ

今回は内定出しに関する大事なポイントをお伝えしました。尚、前出のBさんの事例では、KORECのスタッフが通訳で帯同しました。どのような内定フォローを行うべきか検討されている企業様は、是非KORECまでご相談をいただければ幸いです。