知っているようで知らない、韓国兵役とその経験値。

現在、韓国では韓国国籍を持つ成人男性は一定期間軍隊に所属し、国防の義務を遂行する兵役義務が課せられています。

日本での就職を目指す学生の中には、【学生時代に一番頑張ったこと】として、この兵役期間での出来事を話す学生も少なくありません。

今回は、そんな兵役について書いていこうと思います!

1.韓国の兵役とは

韓国では、満18歳以上が兵役検査対象者となり、19歳になる年に兵役判定の検査を受けます。ほとんどの大学生は大学1年生が終わって2年生になる前に、約2年休学して兵役に行きます。

(例)2017年 入学 1年生

   2018年〜2020年兵役

   2021年2年生

   2022年3年生

   2023年4年生

部隊は大きく、陸軍、海軍、空軍、海兵隊の4つに分かれています。それぞれの特徴について見てみましょう。

<陸軍>

屋外, 草, 軍服, バイク が含まれている画像

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陸軍は最も一般的な部隊であり、多くの人は陸軍に行きます。

職務内容はさまざまですが、勤務地は山の近くが多く、重要施設の警備をすることが多いそうです。ただ立って時間が過ぎるのを待つだけの警備の仕事は苦痛だった、と語る学生もいました。

また、韓国全土からさまざまな人が集まり集団生活を送るので、関係構築力が高まるとも言われています。

<海軍>

海軍は名前の通り、海の近くで攻撃と防御の任務を担う部隊になります。2〜3カ月もの間、軍艦で勤務をすることもあり、他の部隊に比べて忍耐力が付くと言われています。

<空軍>

飛行機が空を飛んでいる戦闘機

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空軍は4つの部隊の中で、一番人気です。その理由は、他の部隊に比べて体を使う業務は少なく、オフィスワークなど頭を使う仕事が多いためです。人気部隊ゆえ、入隊を希望する際には筆記試験もあり、学校の成績やTOEICの点数などもみられます。

                          

<海兵隊>

海兵隊は、4つの軍隊の中で一番大変な部隊と言われています。実際に海兵隊で兵役を務める場合は、特別な体力試験を受けなければいけません。その試験に合格した人だけが、海兵隊として入隊することができます。人間兵器を作る部隊だとも言われており、限界まで体力を使い切る過酷な訓練が有名です。

他の部隊とは違って、兵役終了後も海兵隊でのつながりを大切にしており、海兵隊出身者の集まるビッグコミュニティーもあります。上下関係も一番厳しく、成長意欲が高い人や、若いうちに一番つらい経験をしておきたい、という人が志願します。

2.実際の「学生時代に頑張ったこと」の例

以下、韓国人留学生に聞いた、実際の兵役エピソード「学生時代に頑張ったこと」を紹介します!

◆Y君

【兵役中の研修でリーダーを勤め上げた。】

研修で組まれたチームのリーダーを担い、最終的に自分が優秀賞に選ばれた。

研修期間は1週間で、最後2日間は実践訓練を行った。実践訓練は敵が逃げ出す前に逃走路を遮断し捕獲・射殺を行い、48時間休憩なしで行われる。私はリーダーとして、「敵の逃走路を予想/待機場所を作るために土掘/見つからないよう偽装/敵を見つけたら射撃」を臨機応変に判断・指示する役だった。

①作戦中怪我をした仲間がいて1番遅れていたが、怪我をしていてもできる見張り役をしてもらい、最後まで諦めずに戦い抜いた。

②実践中行った戦術やそれを行った理由を自分の言葉で説明して教官を納得させた。

上記の点が評価され、優秀者を選抜し賞を授与する場で、私はリーダーとして優秀賞に選ばれた。この経験を生かし、貴社に入っても仲間とともに最後まで諦めず最善を尽くす人になりたい。

◆L君

【練習中、足首を怪我してしまったとき、役職を変えて最後まで兵役を終えた。】

元の役職は通信兵(통신병)であり、訓練時には重い装備を担いで山を駆け回ったりする役職であった。練習中に手術が必要なほどの大怪我をしてしまい、役職を全うすることが難しくなってしまったが、除隊によって戦友(仲間や先輩、後輩)に迷惑をかけたくなかった。中隊長(중대장)に直接、体を使わない役職への変更を要請し、人事業務を担当した。もともと人事業務は階級の高い兵士(上等兵・兵長)が行うのが一般的であったが、私は階級は低くても皆の状況を考慮してコミュニケーションを取り、皆が納得できる勤務編成を行った。その結果、「最も勤務シフトに不満の少ない中隊」と評価された。

◆P君

【分隊員同士の強い結束が身を結び、部隊内の体育大会で優勝、褒美として分隊の外泊を得た。】

分隊員全員、2カ月ほど休暇の予定がない状況が続き、メンバーはやる気をなくしていた。私は、分隊長として隊員の士気を高めるために、1カ月後に行われる体育大会で優勝して外泊許可を得る、という目標を立てた。毎日行われる体力鍛錬の時間で、ほとんどの兵士は個人の筋肉トレーニングに励んでいたが、私の分隊はサッカーを練習することにした。私は分隊員に目標を提示し、練習のたびに戦略を立てたり、飲み物をおごったりするなど、結束力を高める努力をした。 結果、体育大会で優勝し、「分隊外泊」を獲得できた。外泊中に一緒に行った店で分隊員から直接「ありがとうございました」と言われ、チキンをおごってもらった。

*分隊:6~10名編制の、戦闘の基礎となるグループ

◆J君

【後輩のため自ら国境守備勤務に志願した】

私の部隊は北朝鮮と近い所にあり、約30名の「小隊(소대)」が3カ月ごとに国境の方にある基地に入って勤務をしていた。除隊前の最後の基地派遣から復帰し、本部で1カ月半ほど経った時、基地にいた後輩の一人の体調が悪くなって、誰かが交代で復帰しなければならなくなった。基地に派遣されるのは辛い経験なので、通常は下の者が志願する風潮があった。私は階級も上で志願する必要はなかったが、誰よりも基地での勤務に慣れていたし、これからも部隊で苦労するであろう後輩を想い自ら志願し、基地での勤務に復帰した。本部で健康を回復した後輩には「ありがとう」と何度も感謝の意を述べられ、除隊後の現在でも親しい友人として付き合っている。

3.まとめ

韓国の兵役制度、その経験についてリアルな声も書いてみましたがいかがでしたか?

日本にはない制度なので少しわかりにくいかもしれませんが、兵役文化を理解する上で役立てていただければ幸いです。

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