韓国の大学院ってどんな感じ??1分で分かる韓国の大学院事情

韓国では、年間33万人ほどの人※が大学卒業後、大学院に通っています。(※文部科学省「諸外国の教育統計2019年度版」より)

大学院に行く目的や、どんな人が通っているのか。今回は、韓国の大学院事情ついて調べてみました!

1.はじめに

韓国での大学院を見ていく前に、日本の大学院はどのような仕組みなのかを最初におさらいしましょう!

日本には研究を深める一般の大学院と、高度な専門的職業人を育てる専門職大学院の2つがあります。大学生が卒業後に進む多くは、一般の大学院です。一般の大学院は研究者の養成に主眼を置いており、学部の研究をさらに深め、より専門的に研究に取り組みたい学生が院に進みます。

一般的な在籍年数が2年の修士課程は、専攻する分野での研究能力やさらに高度な専門性が求められる職業に必要な能力を培うことを目的とした課程です。

一般的な在籍年数5年の博士課程は、専攻する分野について自立して研究活動を行い、修士課程以上に高度かつ専門的な業務に従事するために必要な研究能力、その基礎となる豊かな学識を養うことを目的としています。

では、韓国の大学生も同じような一般の大学院に進むのでしょうか?

2.韓国では就活のために大学院に行く人が多い?!

韓国の大学院には 『一般大学院』、『専門大学院』、『特殊大学院』の3つがあり、一般大学院の場合は修士課程に2年、博士課程に2年を有します。(特殊大学院や専門大学院の場合は修士課程を終えるのに2年半かかる場合もあります。)

『一般大学院』は主に学術系の研究を行う機関で、大学を卒業した学生が進学することの多い大学院です。あとは、専門職に携わる人が研究開発を目的として通う『専門大学院』、現職の教師や経営者などがレベルアップを図るために夜間などに通う『特殊大学院』という位置づけです。

韓国でも大学院進学を目指す大多数の学生は、理系文系を問わず、教授や研究職を目指していることが多いようですが、韓国大学院に通うモナさんにお話を伺うと、最終学歴をより良い学歴にする目的で大学院に進学し、就職する方もいらっしゃるとのこと!

実際インタビューした韓国学生の方も、大学在学中に就職先が決まらず、大学院に行きながら就職活動を継続する友達がたくさんいる、とおっしゃってました。

日本では就活のために大学の卒業を延期したり大学院に行く学生は滅多にいないので驚きでした。よりハードな就職活動を求められる韓国の学生は、研究目的以外で大学院へ進む割合も高いのかもしれません。

3.理系=大学院進学が多いというイメージは韓国にはない!

日本では理系学生が文系学生より大学院に進学しているイメージですが、韓国ではどうなのでしょうか?

韓国でも日本と同じように、文系学生よりも理系学生が主に大学院に進学しています。しかしながら韓国理系学生の大学院進学率は、日本理系学生の大学院進学率よりはるかに低いのが現実です。(参照:https://blog.naver.com/shg1996/220848901482)

それは、優秀な学生が集まる大学は財閥がバックにいることが多く、卒業後に大手財閥に就職する方がメリットに感じやすい背景があるようです。韓国では中小企業と大手財閥の賃金格差が激しいので、より良い暮らしを手に入れるために大手財閥に入ることを目指す学生が多いみたいです。

4.忙しい大学院生活の中でも就職準備をする

過酷な大学入試と比べ、大学院入試の難易度はどうでしょうか?

一定の英語力を求められる場合もあるようですが、大学と比べると大学院は比較的入りやすいとのこと!韓国ではコネ文化が根強く、事前に教授にコンタクトを取ることができるため入りやすくなる、なんて話も。授業は、日本と同じようなスタイルで論文を分担し各自読んできて授業の時に発表し、討論したりレポート書いたりなど…常に論文と、発表そして課題に追われている…らしいです。

そんなハイレベルな大学院の勉強をしながらも、就職のためにボランティアや資格の勉強をしている方もいるそうで、どんな会社に就職できるかを重要視する韓国の実態が感じられますね。

5.韓国では大学院進学のステータスが高いという訳ではない!

韓国の大学では理系だとPC工学・文系だと経営経済が人気だと言われていますが、大学院で人気の専攻はあるのでしょうか?

大学院の専攻では、人気・不人気の偏りはあまりないとのこと。就活生が就職のために大学院に進んだとしても、専攻よりもどの大学院に進むかが重視されるみたいです。そもそも大学院進学のステータスが日本よりも低く、卒業後に財閥がバックについているか否かで大学院を選ぶ学生も多いと言われています。

6.まとめ

いかがだったでしたでしょうか?韓国の大学院、また大学院生を取り巻く環境がご理解いただければ嬉しいです。

就職活動のために大学院にいく方もいるというのは驚きでしたね。韓国の就職がどれだけ大変なのかについてもとてもわかるお話でした!