KOREC教育担当者に聞いた!韓国人学生の就活感とは?!【KORECスタッフ 中後義樹さんインタビュー】

ソウルにある就活カフェKORECで、学生向けの教育担当として活躍されている中後さん。日本の大学を卒業し、現在は韓国の大学院に在籍されています。韓国留学や日韓での就職経験など中後さんの経歴と共に、KORECでの学生教育を通して感じたこと、教える上で意識していることなども伺いました!

韓国の大学院について

<ソウルと東京をつないでのインタビュー!>

ーー中後さん、今日は宜しくお願い致します!

神奈川県・横浜出身の28歳男、中後義樹と申します。大学では心理学を専攻していました。現在、釜山外国語大学院韓国語教育学科に在学しており、在韓4年目になります。

ーー韓国の大学院を目指したきっかけは何ですか?

大学卒業後、不動産管理等を行う日本企業に新卒入社しました。勤務しながら、周囲から必要な存在になることを考えた時「韓国語を駆使できる日本人男子」の数が少ないことに気づき、第二外国語として勉強したことがある韓国語をネイティブレベルにすることと、若いうちに自由に自己啓発できる環境が欲しくて、韓国留学を決意しました。

ーー大学院ではどんな授業を受けていますか?

実は、大学院には2回入学しているんです。(笑)

1回目の釜山外大日韓通訳翻訳大学院は、とにかくスパルタ実習でした。授業は週に3日夜間に行われ、4種類のカリキュラムで構成されていました。学生が新聞記事を探してきて、それを皆で韓国語・日本語に翻訳し、教授がフィードバックをしてくれました。同期の8人で2週間に1回ずつ記事を探して授業を回していくというハードスケジュールに、スタディ(授業後、学生同士が集まって行う自習)もやっていたので自習・予習・復習全て大変でしたね。

大学院と同時に大学事務員の仕事も並行していましたが、授業スケジュールと業務の両立が難しくなったことと、韓国語をある程度のレベルまで学んだので、今度は韓国語教員の資格を取るために韓国語教育学科へ再入学しました。現在は論文を提出し、もうすぐ卒業見込みです。

日韓で経験した就活

ーー日本と韓国の両国で就活経験があるそうですが、日韓で違いを感じたことはありますか?

日本の採用はポテンシャル採用といって、今後の成長可能性を多く見ており、中途であっても未経験で挑戦させてくれる会社が多くあります。しかし韓国では新卒からスキルが求められ、中途であればなおさら経験や経歴が重要となります。それだけでなく「自分は何ができるのか」という点も重要視しているため、日本のように人間性勝負ではなく、『何ができるのかを具体的に証明』することが必要で、そのためのスキル取得は必須であると言えます。また、学生時代や職務に際して自分が何をしてきたのかを深く掘り下げて、自分のアピールポイントを探さなければいけないかと思います。

KORECでの学生教育について

ーー学生教育者の1日のスケジュールを教えてください。

日によって違いますが、大体朝は問い合わせと当日のスケジュール確認、アルバイトの子たちに仕事を振り分けた後、スタッフみんなでカフェの掃除をします。その後は無料相談、ネイバーカフェ(掲示板)の記事作成、コンサルティングやミーティングなどをしていたら1日が終わってしまいますね。

<ネイバーカフェの掲示板。カリキュラムの案内なども掲載しています!>

ーーKORECでの授業は具体的にどんなことをされているんですか?

元々、KORECソウル責任者である萌さんがされていたものを改良しつつ実施しています。全6週のカリキュラム(以下参照)で、時期にもよりますが1クラス約10~20名の学生が参加してくれています。僕はこれまで50名以上の学生を指導してきました。

▼カリキュラム

1週目:就活の基本+自己分析とは

2~3週目:自己分析pt2+ESについて(自己PRやガクチカ)

4週目:業界分析と企業分析

5~6週目:面接対策(講義+学生同士でFB)

ーー学生教育をする中で印象に残っている出来事、学生などいれば教えてください。

兵役中に就活コンサルティングを毎週申請してくれている学生がいました。兵役修了2ヶ月ほど前からKORECを利用してくださり、除隊後すぐに面接やエントリーができるよう軍隊の中でも努力をしていました。彼は学生時代に執筆活動を行い、実際に小説家としてデビューをした経験があるためアピールポイントが多いことはもちろん、出版関連の業界に関する知識も豊富でした。「KORECから最大限知識を得よう」とする姿勢が滲み出ており、コンサルティングを行う立場からしても非常に楽しいコンサルティングを行うことができました。

ーー教育を通して感じた、韓国人学生の傾向はありますか?

とにかく大手志望の学生が多いです。特に韓国で名の知れた日本企業に行きたい学生が多いですね。韓国では大手企業の給料面・福利厚生が充実している反面、中小企業の給料面・福利厚生はほぼ無いに等しいという現状があります。大手の日本企業は山ほどあるのに、韓国の大手の概念で日本企業を見ているため、日本の中小企業に対するイメージに誤解が生まれてしまうのが勿体無いところです…。大手志望は悪くないですが、企業選択の方法を知らないためか優良企業を探すことができず、グローバルで目につきやすい企業しかみれていない点は教育する必要があります。

ーー学生に教育をする際、意識していることはありますか?

学生たちには、「あなたは何がやりたい?」「どんな人生を送りたい?」「大手に何があるか?」「なぜ大手を選ぶのか?」をよく考えさせるようにしています。その上で、中小企業の良さをいつも伝えています。やはり一人でできる裁量が大きく、さまざまな知識や経験が得られて成長・昇進スピードが早い中小企業は、バイタリティ高く日々の成長や刺激を意識したい韓国人学生にとってぴったりな環境だと思います。

ーー日本の採用担当者の方にメッセージをお願いします。

韓国人人材は日本より厳しい環境下で育ってきているため、ポテンシャル面で言えば日本人学生より高いと考えております。単純に就活を知らなかったり、準備ができていないこともあり、日本人就活生に劣っているように見えることもありますが、実際には社交的で伸び代のある人材が多いです。しっかりと教育をすれば日本企業で立派に活躍できる人材となりうるので、リラックスした雰囲気で学生本来の姿を見ようとしていただければ、より彼らの良さを感じてもらえると思います。

まとめ

いかがでしたか?今回は、KORECで学生教育を行う中後さんにお話を伺いました。ポテンシャルもスキルも高く、アグレッシブさも併せ持つ優秀な韓国人学生がKORECを通して日本で活躍できる場に出会えたらと思います!

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