「応募は来るけれど、母集団の質にバラつきがある」
「熱意は伝わるが、いまいち当社のことをよく理解していないのでは…」
韓国人採用の支援をさせていただいていると、日本企業の人事担当者からこのような相談をいただくことがよくあります。
そこで今回は、母集団形成後の選考およびフォローフェーズにおいて、どのようにアプローチすれば企業・韓国人学生双方がwin-winとなる採用活動ができるか、①選考編と②内定フォロー編に分けて紐解いていきたいと思います。
今回は①選考のポイントについてお伝えしていきます!
効果的な採用フローとは?
韓国人採用だからとって、必ずしも特別な採用フローを構築しなければいけないというわけではありません。
貴社にて日本人学生の採用を行っている場合は、まずはそのフローを活用してみましょう。
一般的な採用フローは、「母集団形成」⇒「説明会」⇒「面接(グループ選考含む)」⇒「内定出し」となるかと思います。このフローの中で、韓国人採用において特に重要となるのは「面接・グループ選考」です。
日本人採用であれば、学生一人ひとりと会って自社にマッチする人材かを確認するプロセスを踏むことが可能ですが、韓国人採用でそれを行うことは、時間・コストの面でも現実的ではありません。
そこでオススメしたいのが、初期の段階で複数の学生を集めて「座談会」や「ワークショップ」形式の選考会を行うことです。実際に韓国人採用に成功している企業では、初期段階で効率的に選考を行うことで、効果的なスクリーニングができています。(もちろんWEB上での実施で構いません。)
例えばワークショップでは、「世の中や株主に対して、当社の魅力を紹介するプレゼンをしてください」といったテーマで学生にディスカッションをしてもらうことで、学生の日本語力やリーダーシップ力を測定でき、初期スクリーニングを行うことが可能となります。
また、こうしたディスカッションは、韓国人学生にとってもメリットがあります。会社理解を深めるテーマに取り組むことで企業分析が進み、その会社の魅力を発見・再確認するだけでなく、学生側のセルフスクリーニングの機会にもなるからです。
選考フローのなかで志望意欲の醸成を
日本の就職活動において企業分析はとても重要なプロセスですが、韓国人学生にとってそれは簡単ではありません。
逆の立場で、もし皆さんが海外の企業の選考に臨むとしたらどうでしょうか。インターネット上で検索できる情報もすべて外国語での記述でしょうし、そもそも情報収集の手段を見つけることすら難しいかもしれません。
そういった点も加味して、ぜひ選考フローのなかで自社の特徴や韓国人学生が知りたい情報をしっかりと伝えていただければと思います。
日本人学生の採用においても、学生の入社意思は内定出し前にある程度固まっているというふうに言われています。だからこそ、各選考フローにおいて学生をジャッジするのみではなく、自社が欲しい人材に対しては積極的なフォローを行っていくことを推奨いたします。
学生の意欲を見極めるために
選考が進み、内定出しに向けて欲しい人材が絞られてきた段階では、思い切って難易度の高い課題を出すことも有効です。
韓国人学生の特徴として、勤勉性や課題に対する達成意識の高さを挙げる声をよく聞きますが、私たちの経験上でも実際に、少しハードな課題を課しても意欲的に取り組むことができる学生が多い印象です。
例えばレポートやポートフォリオ等の提出を課すことで、より学生の意欲を見極めることが可能となり、自社へのマッチング度を測る最終的な手段ともなり得るでしょう。
まとめ
今回は選考フェーズにおける、韓国人採用のコツについてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
双方のミスマッチを解消するためにも、可能であれば最終面接段階で学生を日本に呼び、自社内を見学してもらうことが望ましいですが、コロナ禍の状況でなかなか難しい現実があります。今回のポイントを参考に、ぜひ効率的でかつ効果的な採用活動にチャレンジしていただければと思います。
ポイントをまとめると、以下のとおりです。
・初期選考段階ではなるべく多くの学生に会い、その中から絞っていく
・各選考フローにおいて、学生のジャッジのみではなくフォローすることも意識する
・最終選考段階では難易度の高い課題を課して、学生の意欲および、自社との相性を見極める
次回は「内定フォロー編」です。効果的な内定フォローについて、事例を交えながら解説していきます。