志望した企業で輝く未来を迎えるためには、徹底的な就職準備が欠かせません。日本の大学生が就職活動に向けて取り組む準備には、面接練習やインターンシップ参加、自己分析などが含まれます。
では、韓国の学生はどのようにして自身の未来を切り拓くための準備をしているのでしょうか?
そして、その方法は日本とはどのように異なるのでしょうか?
今回は、韓国の学生たちが就職前から積み重ねる準備の詳細を探ります。韓国人材の採用を検討する皆さまや、採用面接を控える皆さまにとって、貴重な示唆を提供出来れば幸いです。
休学の意義
休学の選択は、韓国の学生たちが就職に向けて自身を磨き上げる重要なポイントとなっています。特に男性学生は兵役の義務があることも影響していますが、主な理由は将来の就職に備えて経験やスペックを積むことです。
国家統計局の調査によると、休学の理由は男性学生の場合は兵役義務を果たすため、さらに就職や資格試験の準備をするためです。また、語学研修や現場経験などの経験を積むために休学を選択しています。韓国就職サイトとアルバモンの調査を見ても、大学生の63.3%が休学を計画しており、主な目的は「就職準備」です。特に、インターンシップの参加や資格取得など、職業に関連した経験を積むために休学を選ぶ学生が多いことがわかります。これに加えて、留学を通じて、国際的な視野を広げる学生も増えています。
これらの経験が将来の企業選びにおいて大きなアドバンテージとなっていることが伺えます。学生たちは、休学期間を通じて自己成長とスキルの磨き上げに励むことで、準備不足なく就職市場に飛び込んでいく準備をしているのです。
資格の重要性
韓国でのスムーズな就職活動には、資格取得が必要不可欠です。多くの学生が休学を選ぶ理由が明らかになりましたが、休学中に資格取得を目指す学生も多いです。
eduwill(オンライン教育予備校)の調査によれば、84.1%の参加者が「就職や離職に資格証が必要」と回答しています。
主に保有する資格数は2つ(36.5%)、次いで3つと1つがそれぞれ19%と17.5%を占めています。特にIT系の資格が有利であり、コンピュータ活用能力試験が69.8%で1位となっています。これを受けて、韓国の就職市場では資格の取得が非常に重要であることがわかります。また、資格の中でもIT系列の資格が有利な様です。
韓国学生の当たり前~複数専攻
韓国の学生が就職に向けて熱心に取り組む手法の一つが、「複数専攻」です。この制度は、学生が自身の主専攻とは別に、もう一つの専攻を選び学ぶことを指します。一般的には、海外では「ダブルメジャー」や「ダブルディグリー」と呼ばれています。日本ではあまり馴染みのない制度ですが、韓国の大学では多くの学生が取り入れている常套手段と言えるでしょう。韓国の就職市場では、専門性を評価する傾向があります。したがって、大学の卒業学科と希望する職種との関連性を高めることが求められます。この点で複数専攻は、学生がより広い視野で専門知識を身につけるチャンスとなります。例えば、人文系学科の学生が商経系の専攻を追加することで、自身の専門性を強化し、就職に有利なスキルセットを構築できるのです。
韓国職業能力開発院による調査結果によれば、人文系学科の学生は複数専攻を取ることで、就職活動において有利な立場を築けることが示されています。一方で、商経系学科の学生は複数専攻をとらなくても就職に大きな影響がないとされています。この傾向から、商経系学科が複数専攻の対象として特に人気が高いことが伺えます。
最近ではAI学科への関心も高まり、AI学科に関連する専攻を複数専攻で取得する学生が増加しています。IT・コンピューター系学科に関連する専攻も引き続き人気を保っており、韓国の学生は自身の専門性を広げるために積極的に複数専攻を活用しています。
就職準備の方法
韓国の学生は、就職準備を進める際にどのような方法を選んでいるのでしょうか。その方法として、以下のようなアプローチが挙げられます。
① 勉強の場所:カフェでの準備が主流
Z世代1989人を対象に行ったとある調査によれば、大多数の学生がカフェでの勉強を選んでいます。カフェは程よい雑音や活気があり、集中力を高める場所として人気です。また、家や図書館を利用する学生もいますが、カフェの雰囲気が資格の準備に適しているとされています。
② 就職スタディの活用
韓国では「スタディ」という言葉は、スタディーグループを指して使われることが一般的です。就職準備のために、3~5人程度のメンバーで集まって勉強を行うことが一般的です。特に、情報の共有やエントリーシートの添削、面接の練習などが効果的に行われます。最近では非対面スタディの需要も増えており、オンラインビデオ会議ツールを用いて効率的なスタディが行われています。
③ 自治体の支援活動
韓国では自治体も就職準備を支援するプロジェクトを展開しています。例えば、ソウル市のノウォン区では、若者の就職準備費用を支援するために、スタディカフェや読書室の利用をサポートするプロジェクトを推進しています。こうした取り組みによって、学生たちはより効果的な準備を進めることができる環境が整っています。
以上の方法を通じて、韓国の学生は自身の就職準備を着実に進めています。質の高い準備が、競争の激しい就職市場で優位な位置を築くための鍵となっているようです。
まとめ
いかがでしたか。韓国の学生たちが、自身の将来を見据えて献身的に取り組む就職準備の姿勢は、真摯な意欲と情熱の結晶です。長期的な視点を持ち、多様な手法を駆使して自己研鑽に励む彼らの姿勢は、韓国人材のハイスペックな背景を示しています。
これからも韓国の人材が、その確かな準備と高い志を胸に、さまざまな分野で活躍し、世界に貢献していくことでしょう。我々はKORECを通じて、彼らの力強いステップを応援し、共に未来を切り拓いていくことを心より願っています。
参考文献
大学生の5人に3人が2学期休みを計画 (jobkorea.co.kr)
大学生、在籍期間と休学期間が短縮…10人の学生のうち3人がアルバイト (naver.com)
求職者の84%が「資格は雇用に不可欠」 – ニュース&ジョブ (newsnjob.com)
基本的に取得するIT資格?就任生10人中7人「コンピュータ活用能力」-KB国民銀行グッドジョブ (stat.co.kr)
大学生の2人に1人は、「ダブルメジャーしたい!」と言います。 (jobkorea.co.kr)
「文系系列が商経系列をダブルメジャーする場合、シングルメジャーよりも就職する方が有利」 |聯合ニュース (yna.co.kr)
明るい仕事の見通し、高い開発の可能性…大学におけるAI学部の人気 |韓国経済 (hankyung.com)
Z世代の63%、どこで就職準備をするのか- ニュースとジョブ (newsnjob.com)
5人の学生のうち2人以上が「就職スタディ」を利用…1回限りの費用はいくら?- eトゥデイ (etoday.co.kr)
MZ世代での就職に備える…「非対面で勉強してAIプロフィールを撮ろう」 – アジア経済 (asiae.co.kr)
若者の就職準備を応援します!蘆原区、失業中の若者のための学習カフェと閲覧室のバウチャーの費用を支援 – 月刊パーソン (monthlypeople.com)