知って理解を深めよう!韓国のビジネスマナー

今回は、韓国のビジネスマナーについてご紹介します。日本も韓国も、年配の方を敬い血縁を大事にしたり、礼儀を重んじる文化がありますが、韓国の方がはるかに厳しかったり、細かいルールがあるようです。

【行動編】ー日本よりも厳しい上下関係!?

挨拶時はお辞儀と握手

ビジネスの場面で人に会うとき、日本では「おはようございます」「お先に失礼します」などの挨拶を交わしたり、自分からお辞儀をしたりするのがマナーといわれています。一方、韓国の挨拶はお辞儀と握手で行います。韓国では手を添えることがマナーとされているため、右利きの人は相手に右手を差し出し、左手を右手の手首に添えます。また男性の場合は、左手を胸元に当てることもあり、より丁寧な挨拶になります。

上下関係における敬語の使い方

韓国は儒教の影響で、年長者や目上の人を非常に大切にする文化があります。そのため上下関係が日本よりも厳しく、相手を呼ぶ際は「肩書き+様(ニム)」または「名字+肩書き+様(ニム)」のように必ず敬称を付けます。日本では相手に敬意を表す際、自分や所属する会社自体も下げて表現しますが、韓国の場合、第三者に上司のことを話すときでも敬称で呼び、敬語を使います。

会食時のマナーは細かい注意が必要

会食時のマナーとして、目上の人とお酒を飲む時には正面を向かず、体と顔を横向きにして、口元を隠すように飲みます。乾杯は、日本では宴会の最初に一度行うことが一般的ですが、韓国では宴会の最中に頻繁に行われます。お酒の注ぎ方についても、日本では相手の杯の酒が空になる前に注ぐのがマナーですが、韓国では相手が全部飲み干したのを確認してから注がなければなりません。その他にも、その席で一番年長の方が食事に手をつけるまで、その他の全員が手をつけてはいけなかったり、韓国独特の細かいルールがたくさんあります。

【考え方編】ーパリパリ文化だが約束時間の捉え方はゆっくり!?

約束の時間の捉え方

日本人はアジアの中でも特に時間に厳格であり、1分遅れただけでも遅刻になるため、予定時間よりも早めに行動する人が多いです。「5分前行動」という言葉があるように、日常生活はもちろん、特にビジネスの世界では5〜10分前にさまざまな準備を済ませておく傾向にあります。一方韓国では、約束した時間はあくまでも努力目標に過ぎず、日本のように約束の5分〜10分より前に韓国人が待ち合わせ場所に現れることは滅多にないです。数分ほど遅れただけで、日本ほど厳格に「遅刻」という概念がないので、韓国人と時間の約束をする際は、約束時間ちょうどに行っても早いと思われることが多々あります。

個人プレー主義

日本では、個人よりもチームワークが重要とされます。そのため、上司や同僚への「報告・連絡・相談」を重要なビジネスマナーとして、仕事をスムーズに進めるために常に周囲のことを考え周囲に合わせる風潮があります。一方で、韓国人の仕事の仕方は個人プレーです。基本的に最初から最後まで自分の仕事は自分で完結します。分からないことを聞けば教えてくれますが、日本のようにチームで足りない所を補い助け合うという概念はないです。そのため、個人がどれだけ目標を達成したかということが重要です。

融通性とスピード

日本の会社で新しい取り組みを始める際は、予め綿密なスケジュール、考えられる問題点とそれに対する解決策などを、規則や原則に従い時間をかけて検討した後にスタートさせます。韓国は逆に、スタートダッシュがとても早いです。元々韓国人は「パリパリ(早く早く)文化」に慣れているので、環境の変化への適応能力が高く、日本に比べて融通性やスピードがあります。完璧に準備が整っていなくてもとりあえず始めてみて、何かトラブルがあれば臨機応変に対応するという考え方で、「熟考するよりまずやってみる」というのが韓国のビジネススタイルです。

ストレートにはっきり伝える

日本人のビジネスマナーとして、「言いにくいことは遠回しに伝える」という考え方があります。思ったことをストレートに伝えるのではなく、オブラートに包んで言葉にすることで相手に配慮し、人間関係を円滑にする傾向があります。韓国の場合はむしろ逆で、納得いかないことや懸念となることがあると、シビアなことでもストレートに本音をぶつけます。例えば仕事が立て込んでいる中、別の仕事を依頼された場合、日本では断るのに少し勇気がいりますが、韓国では「できません」とはっきり断ってよいとされています。口に出さなかったら仕事は増えていく一方ですし、場の空気を読んで意見が言えないよりは、裏表なしに意見交換ができるのは素敵ですよね!

まとめ

いかがでしたか?韓国と日本では異なるマナーがいくつか発見できたと思います。どちらが良い・悪いではなく、お互いの文化や考え方を尊重することが大切です。今回の記事が日韓文化の相互理解につながれば幸いです。ぜひ韓国人と接する際の参考にしてみてください!