梨泰院ってどんなところ?!

Netflixで大人気の韓国ドラマ『梨泰院クラス(イテウォンクラス)』の舞台となった”梨泰院”。ハロウィーンを前に150人以上が犠牲となる事故が起きたことでも認知が高まった場所です。”梨泰院”は韓国の中でも国際色豊かな街として、世界各国の料理店が立ち並びます。日本でいうと六本木のような場所で、『梨泰院クラス』の日本オリジナル版のタイトルも『六本木クラス』でしたね。

今回は、何かと耳にすることが多い”梨泰院”という街についてご紹介していきます!

梨泰院の概要

梨泰院はソウル市ヨンサン区というところにある外国と韓国の雰囲気が混ざったような地域です。ヨンサン区には在韓アメリカ軍基地があり、外国人向けのショッピングストリートとして発展してきました。

1980年代に入ると各種国際会議をはじめ、1986年アジア競技大会や1988年ソウルオリンピックがソウルで開催され、世界的にその名が知られるようになりました。1997年には、ソウル市で初めての観光特区に指定され、2万人以上の外国人が暮らす多国籍・多文化なエリアとなり、多くの観光客が訪れる名所となりました。

 <観光特区>

範囲:梨泰院路入口から漢南洞住民センターまでの1.4km

面積:383,292㎡

地下鉄6号線梨泰院駅を出るとすぐ目の前に建っているハミルトンホテルを中心にショッピング街が広がり、梨泰院名物の革やレザー衣類、Tシャツをはじめ、スーツや時計、かばん、ネクタイ、靴、アクセサリー、また外国人でも着られる超BIGサイズの衣類、さらには家具を販売するお店が建ち並んでいます。レザーや革製品のオーダーメイド、ワイシャツやスーツのオーダーメイドに定評があり、別名「オーダーメイド王国」といわれるほどに。外国人が好みそうな韓国土産が立ち並んだり、「普光洞アンティーク通り」と呼ばれる高級家具店が立ち並ぶ通りがあったり、セレクトショップも点在しているので、ショッピングだけでも1日時間をとられそうです。

また、梨泰院は各国のおいしい料理が食べることができ、地元の韓国人にもとても人気です。雰囲気のいいバーも多く、弘大(ホンデ)と江南(カンナム)に並ぶソウル3大クラブ地域の一つです。そのため、夜は「梨泰院ナイト」を楽しむ地元民や外国人であふれているそうです。

梨泰院クラスのロケ地

梨泰院の変遷

Imagine Your Koreaより

現在は観光客の街、若者の集まる街として人気を集めていますが、今の姿になる以前は全く別の顔を持っていました。ここでは、梨泰院の以前の姿について、日露戦争以後の1900年代からご紹介します。

日露戦争後の1908年から梨泰院の東側には日本軍の駐屯地が作られました。1945年8月以降、その土地は日本軍の敗戦とともに、米軍にすべて接収され、朝鮮戦争休戦後は、そのまま駐韓米軍の基地となったようです。そのため、周辺には軍人やその家族など軍関係者が多く暮らしていました。南山公苑の南側には海外から戻ってきた人や北の故郷に戻れなくなった人たちが定着した古い住宅街「解放村(ヘバンチョン)」があります。1950年代の終わりから1960年代には、梨泰院のメインストリート沿いに米軍関係者向けのショップや遊興・娯楽施設が軒を連ねました。それにつれて裏路地には怪しげな性風俗の店も増えました。1960から1970年代にかけては、ベトナム戦争から帰った米軍の歓楽の街として繁栄しました。1980年代以降も、米兵向けの飲み屋やクラブ、ディスコなど異国の基地の街として、韓国人には近寄りがたい地域となっていました。

転機となったのは1983年の秋。ソウルで2つの大規模な国際会議が開かれ、その頃から街の雰囲気が少しずつ変わっていきました。また1988年夏季ソウルオリンピックの際は、英語対応ができる地域として注目され、国際的観光スポットへと変貌し始めます。1990年に入ると、多国籍の観光地としてさらに人気を集めると同時に、米軍による事故などが続いたことで米軍離れが進みました。1996年には、ソウル市により観光特区に指定され、「基地の街」という面影はほとんどなくなりました。

梨泰院に集まる若者たち

2022年に起きた梨泰院での事故で亡くなった方の多くが、MZ世代と呼ばれる30~40代のミレニアル(M)世代と20代のZ世代だと発表されています。前章でお伝えしたように、1990年代の韓国は今とは姿が違っており、「梨泰院には行くような若者はジャンキーか不良」のようなイメージで、若い女性からすると少し怖くて近づきがたい雰囲気の街だったようです。それにもかかわらずなぜ、梨泰院が若者が集まる人気の街となったのでしょうか。

その理由として、韓国の若者が置かれる社会的状況が関連していると考えられます。少し前に、韓国の若者たちの間で交わされていた言葉に「ヘル朝鮮」というものがあります。「ヘル」とは地獄のことで、韓国での生きづらさを表した表現です。韓国の若者たちは学歴重視や就職難、安定しない雇用や、世界一の自殺率など就職も進学も競争のストレスだらけの社会を生きています。こういった生きにくさから抜け出すために、肩書き・出身地に関わらずみんなが対等に楽しめる場を求める若者が多くいます。梨泰院は、2001年に地下鉄の駅が開業して以降、エスニックやLGBTQのお店などが増え、価値観にとらわれない国際的な解放区として若者を中心に注目を集めるようになりました。『自由』『多文化』『寛容さ』を持ち合わせた若者にとって梨泰院は解放区となり、特別な場として成長していったようです。

 

まとめ

今回は、韓国ドラマやハロウィンイベントの事故で何かと耳にすることが多い『梨泰院』という街について、紹介しました。過去に米軍基地があったことから、国際的な文化がありつつも、韓国らしい伝統的な雰囲気と調和され、他にはない固有の雰囲気を醸し出している街のようです。