株式会社サイバーセキュリティクラウドは、「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という理念を掲げ、AI技術を活用したWEBアプリケーションのセキュリティサービスを全世界に向けて提供してるセキュリティメーカーです。日本本社の他に、米国ロサンゼルスにある現地法人を構え、グローバル展開を強化しています。
KORECとは2021年よりお付き合いいただいており、今回は人事責任者の下村岳さん、KORECを通じて2022年6月に入社されたシム・シヒョンさんに、グローバルな活躍が期待できる韓国人材採用についてお伺いしました!
(以下、K:KOREC、下村さん:下、シムさん:シ)
グローバル展開には多国籍人材は必要不可欠
K:まずは人事責任者でもあり、KORECの導入を主導された下村さんにお伺いします。外国籍の人材を採用する背景について教えてください。
下:当社はセキュリティソフトウエアの開発・運用・サポートを世界基準で行っているため、創業当初より国籍問わず世界中から優秀な人材の確保に取り組んできました。一方で、現在、外国籍の社員は全体の10%程度で社内のグローバル化はまだ途上ですので、ある程度は日本人と仕事ができるスキルがある人材を求めています。
K:具体的な採用要件はありますか?
下:当社が求める要件は主に3つあり、「ITスキル」「英語力」「日本語力」です。ここ数年、特に採用課題だった「エンジニア人材」については国内でも確保するのに苦戦している状況でしたが、KORECのサービスと出会えたことで、条件を満たす人材の確保ができました。
K:採用活動で注力された点を教えてください。
下:自社PRと面接方法の工夫ですね。まず、KOREC開催のオンライン合同企業説明会でPRした際は、自国を飛び出して就活している気概のある学生向けに「グローバル展開に今後注力していく」という点を強調してPRしました。彼らは日本はもちろん、その先の世界も視野に入れているだろうと。また私自身の自己紹介をする際は韓国語で喋りました。異文化に対してリスペクトする姿勢と気持ちを伝えたかったためです。
K:いわゆる「つかみ」で、参加している韓国人学生の皆さんに注目していただく作戦をとられたんですね。
下:はい、直前に丸暗記しました(笑)。「この企業は質問しやすいかも」など印象を持ってもらえるとその後のコミュニケーションもできますし。面接方法については、要件以外に人柄や日本文化への順応性も重視しました。通常の新卒採用と同じような目線で選考しつつ、2次面接ではプロダクト責任者がITスキルの確認を、4次面接ではUSチームと英語での面接を行うなど選考ステップを増やす工夫をしました。
韓国人学生は本当に優秀。KORECのきめ細かいサポートで是非採用成功を!
K:韓国人の学生に対するイメージはいかがでしたか?
下:想像以上に日本語をしっかり話せる方が多く驚きました。あまりに流暢で、こちらが韓国語を話せない事が申し訳なく思うほどです。また日本では内定承諾から入社まで約1年ほどの期間が空きますが、韓国人学生の採用では新卒・既卒の優秀な学生と出会えたらすぐに採用し比較的近い時期に入社が期待できるのも魅力でした。
K:移住を伴う採用は、インタビューに協力いただいたシムさんが初めてと伺いました。
下:はい、他の外国籍社員はもともと日本国内在住の方ばかりでしたので、こちらも移住手続き、居住先探し、生活基盤の様々な契約などフォローしようと思っていました。KORECさんもいろいろサポートしてくれて大変心強かったです。
K:具体的にKORECがどのような役割を果たしましたか?
下:特に韓国の現地スタッフさんとシムさんが面談したり繋がってくれていたのが安心でしたね。またビザ系の手続きを行う行政書士さんもKORECさんから紹介してもらいました。今回の採用成功はKORECさんの手厚いサポートのおかげだと感謝しています。
K:これから韓国人学生の採用活動を始める企業様へ一言お願いします。
下:韓国人学生の採用については、どちらかというと通年採用を実施している企業様が向いてると思います。日本の新卒採用スケジュールに合わせて進めていると、どうしてもタイミングの調整が難しいことがありますからね。そして欲しい人材要件の基準を明確にしておくことをお勧めします。KORECさんとも擦り合わせがしやすくなるので。要件を決めておけば、あとは手厚いサポート体制で信頼できるKORECさんにお願いすれば大丈夫だと思います。
世界で活躍できる仕事に就こう!と意識改革
新入社員のシムさんにインタビューしました。世界で活躍できる理系エンジニア職を目指して日々奮闘中とのこと。就活の際の様子を中心に伺いました!
K:シムさんは、当初は韓国国内での就活をされていたとか。
シ:はい。韓国国内で大手企業やスタートアップ企業にエンジニアとしての就職を希望していましたが、ちょうどコロナ禍で狭き門になり、うまくいかなくて。そこで韓国より海外に出た方が、自由に自分自身も成長できる!と思い、日本企業への就職活動に切り替えました。
K:海外就職の中で日本を選んだ理由は何ですか?
シ:兵役の時に日本語を学んだのがきっかけで、大学在学中に東京都立大学に1年間の交換留学を経験しました。そのため、どうせ海外で働くならまずはせっかく勉強した日本語を活かしたいと思いました。中でも当社は海外展開も行っているので、理系エンジニアとしての経験も積みつつ、よりグローバルに活躍できるとイメージが描けたのが良かったですね。
K:実際に日本での就活で大変だった点を教えてください。
シ:そうですね、「日本だから大変」というよりも、就活に対する自分の考えが甘かった事が大変でした。大手企業でいいお給料と自分の強みを活かせれば、それでいいかな…という意識でいたので、それでは受かるわけがなく・・。フィードバックいただいた企業から「今の日本語レベルじゃ無理」「エントリーシートの内容が甘い」などコメントいただき、「このままじゃダメだ」と気づかされました。
150ページ分の自己分析ノート。自分の経験を全て書き出して活用
K:苦戦された当初の就活から、どう変えていったのでしょうか。
シ:改めて自己分析に取り組みました。過去の経験など全て書き出し、整理しながら使える文章にしていきましたね。150ページほどの分量になりました。
K:すごい量ですね!
シ:これがすごく就活に役に立ちました。いわゆる「ガクチカ」としてまとめる内容や、面接の時に伝えることを整理できたり。その作業を繰り返していくと、企業に合わせたエントリーシートが書けるようになりました。
K:最終的にサイバーセキュリティクラウドに決めたポイントは何ですか?
シ:当社に興味が湧いたポイントは、「最新技術に触れられる」「セキュリティー分野を学べる」「海外進出のチャンスがある」の3つです。またUSメンバーと4次面接の際は、未熟だと感じていた英語力も高めることができると感じました。
K:現在の仕事内容を教えてください。
シ:パブリッククラウドのWAFを自動運用できる自社ソフト「WafCharm(ワフチャーム)」のサポート部門に所属しており、お客様向けのルール作成や、ソフトインストールのサポートなどを担当しています。最近では、自分が発見したエラーがきっかけで問題解決に導いた事案が楽しかったですね。また別件ではUSメンバーと一緒に取り組んだ事案もあり、英語と日本語を要約しながら双方の橋渡し役ができてとてもいい経験になりました。
K:入社前後のイメージギャップはありますか?
シ:日本の会社は「堅い」イメージでしたが、いい意味で皆さんフランクでコミュニケーションしやすく安心しました。ただ、会社員として日本特有のビジネス用語や直接お客様とのチャットなど読む場合に苦労しています。「お世話になっています」といったビジネスメールで使う定型文など、日本独特の言い回しを吸収すべく頑張っている最中です。
K:最後に、就活している韓国人学生へ一言お願いします!
シ:とにかく、諦めないことです。私も就活当初はうまくいかなくて落ち込みましたが、諦めなかったから今があります。うまくいかない時は最初からやり直すぐらいの気持ちで取り組んでみてください。絶対に道は開けます!
まとめ
今回は、セキュリティーサービス事業を展開するサイバーセキュリティクラウド様の人事責任者の下村さんと新入社員のシムさんにお話を伺いました。明確な採用要件をベースに即戦力採用に向けたきめ細かな施策でエンジニア職の獲得に成功されていました。また新入社員のシムさんも自身の振り返りから諦めなかったご経験を語っていただき、就活中の韓国人学生の皆さんへ向けた多くのヒントをいただきました。
今後も日本企業・韓国人学生のお役に立てるようなKORECサービスのさらなる向上と、そこから生まれる良き出会いを期待したいと思います!