韓国がIT先進国だと感じる瞬間は!?

韓国人就活生と交流していると、韓国はIT先進国であると強く感じます。IT業界に関心を持っている学生はもちろん、エンジニアを目指している学生も多く、日本就職を目指す理由として「韓国の発達したIT技術を日本に広めたい」という声もよく聞きます。

国を上げてIT化に取り組む韓国。今回は、そんな韓国のIT化の背景や現状についてご紹介したいと思います!

韓国の電子政府

国連経済社会局による電子政府ランキング(2020年)によると、193国中、韓国は2位となっています(1位はデンマーク)。一方、日本はというとトップ10圏外の14位。国をあげてIT化に取り組む韓国が大きくリードしていることが分かります。

韓国はなぜ電子政府と呼ばれるようになったのか。その背景は1997年のIMF危機(国際通貨危機)が大きく影響しています。当時、銀行を中心に数多くの企業が倒産し、街には失業者が溢れました。そこで金大中大統領は『ニューディール政策』を打ち出します。失業者を雇い、紙の公的書類を一斉にPCに入力させてデジタル化を進めたのです。

さらに、韓国版マイナンバーと呼ばれる『住民登録番号』の存在があります。住民登録番号は、住民登録法という法律に基づき、出生と同時に全ての韓国国民に対して付与されている13桁の番号で、その番号に個人情報が紐付き、さまざまな公共機関で利用できるようになっているのです。

日本でも、住民票の写しや印鑑登録証明書などの書類がコンビニで発行できるようになる『マイナンバーカード』の普及に力をいれていますが、残念ながら普及率は2022年の6月時点で45.3%に留まっています。

高速インターネット大国

韓国政府は、無線や光回線のインフラ整備にも力を入れました。最近、日本では『NUROひかり』という高速光回線が話題になりましたが、韓国の超高速インターネット回線の加入者数の割合は2016年時点で14.9%、これは世界1位の数値です。

また、インターネット利用時に重要となるのが通信速度。2020年時点で韓国の5Gなどのモバイル通信速度は世界1位です。一方、日本は58位となっています。

韓国に行ったことのある人の多くは、「韓国のカフェに行くとほぼWi-Fiが100%完備されていて(しかも高速)、充電器やコードとかもレジで貸し出しOKで快適だった!」とインターネット環境の充実ぶりに驚いていました!

面倒な手続きもデジタルで超簡単に!

まずは公的書類のデジタル化。日本だったら行政機関に足を運び、申請書類に記入して窓口で承認してもらって…と時間がかかる手続きも、韓国ではオンライン上で解決できることがほとんどです。銀行へ提出するような書類もネット上で全て申請でき、わざわざ店舗に出向く必要がありません。パリパリ文化(パリ=早く)の影響もあってか、対面の手続きも含め、できるだけ早く終わるように設定されているといいます。

新型コロナワクチンの接種証明書も!

韓国では飲食店や商業施設への入店時に、ワクチンの接種履歴を示す「ワクチンパス」の提示が求められていました。その情報はQRコードにまとめられ、韓国版LINEのカカオトークや韓国版GoogleのNAVERを起動することで表示できたそうです。

日本ではデジタル庁と厚生労働省による『新型コロナワクチン接種証明書アプリ』がありますが、マイナンバーカードがないと利用できません。

身近な存在のPCバン=ネットカフェ

2020年時点で韓国のIT技術者の割合は世界12位です。32位の日本よりも割合的に多いことがわかります。韓国人就活生がエンジニアを目指す理由は様々ですが「韓国にはPCバン(日本でいうネットカフェ)が多くて、PCをいじるのが好きな人が多いのかも。」という話がありました。

韓国語でPCバンとは日本語でPC部屋という意味。その名の通り、PCが部屋一面に並んでおり、高性能のPCと高速の回線が配備されています。友人と遊ぶときはPCバンに行ってゲームをする人もいます。店舗数はピーク時ではなんと2万店以上!日本国内のセブンイレブンの店舗数と同じくらいなので、いかにPCバンが身近なものかが分かりますね。

幼少期からのプログラミング教育

韓国は国をあげてプログラミングの教育に力を入れており、2007年に中・高校で、2017年に小学校で「ソフトウェア」が必修化されました。最近では2025年から小・中・高校でコンピューター言語である「コーディング」が必修化されます。一方、日本は2020年に小学校、2021年に中学校、さらに2022年から高校で「プログラミング」が必修化されることになり、韓国がいかに先進的であるかがわかるでしょう。

最後に

今回はIT国家である韓国の成り立ち、現状などをご紹介しました。エンジニア不足が叫ばれる日本ですが、一方で日本でエンジニアとして働きたい韓国人就活生は多くいます。お互いのニーズを上手く活用できる環境を準備し、日韓どちらにとっても大きなメリットを生み出せたらと思います。

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