少し落ち着いてきたコロナですが、蔓延する寒い季節が近づき不安もゼロではありません。採用/就職活動において、できるだけ安全に企業と学生がコミュニケーションを図るにはどうすべきか、まだまだ課題もあります。
今回は、「K-防疫」として有名になった韓国でのコロナ対策や状況などコロナウイルスに関する情報と、コロナ禍での韓国の就職活動をご紹介しようと思います。私自身、コロナ禍に留学をしていた時の印象や、周りの韓国人に聞いた情報をまとめてみましたので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね!
韓国でのコロナ対策
コロナが流行し始めた頃、韓国のコロナ対策が世界中で高く評価され、日本でもニュースになっていた事は、覚えていますでしょうか。韓国では早いうちから①検査・感染確認、②疫学・追跡、③隔離・治療の体制を整え、これらの取り組みをK-POPならぬ「K-防疫」として報道されていました。
この背景には、2003年韓国で猛威を奮ったSARSの教訓が生かされています。法的権限などを強化し、症状がなくとも無料でPCR検査を受けることが出来る体制を整え、感染者の動向をGPS等で追跡管理、飲食店等の利用時は、電子機器での名簿確認を取るなど感染者の接触把握に力を入れる、といった対策への動き出しの早さは他国に比べて秀でていました。
私が留学中に特に驚いたのは、韓国人がよく使うカカオトークやNAVERというアプリにワクチン接種などを含む個人情報を登録し、専用のQRコードを発行するシステム。入店時にQRコードをかざして記録することで、店内で感染者がいた場合に自動的にアプリに連絡がきます。また、入店時に指定された電話番号に電話しておくと、店内に感染者がいた場合に連絡がくる、というシステムもありました。このような電子機器を使用したシステムは、2020年の流行初期から早めに導入されており、IT大国の韓国ならではと感じました。
そして、日本と大きく違うことは規制を守らないと法的措置があったということです。4人以上での外食は原則禁止で破ると罰金でした。規制も厳しく、お店は21時閉店。先ほど紹介したQRコード以外に、保健所で登録をしてもらう正式なワクチン証明証がないと、入店禁止やお一人さまの席で食事を取らなければいけなかったり・・と徹底されていました。21時以降の街は本当に静かで、コンビニだけがひっそりオープンしている景色は今も印象に残っています。
コロナ禍の学生の状況
コロナの流行が酷く規制が厳しい時は、日本の大学と同様オンライン授業が行われていました。私が留学していた2021年の夏は大学内に留学生しかおらず、校内のお店もかなり閉まっていました。徐々に曜日制で対面授業になっていき、キャンパスで韓国人学生に会う機会も増えていった感じです。現在は規制も緩和され、対面授業も再開しています。
勉強熱心な韓国人はコロナ禍の時間を無駄にしたくないと考え、在宅期間をチャンスと捉えてさまざまな活動をしていました。例えば休学してプログラミングの勉強をして資格を手に入れたり、海外の方が経済の動き出しが早いと考えてヨーロッパやアメリカ、カナダに留学したり、という話はよく聞きました。予定を早め、コロナ禍を兵役期間に変更した学生も多かったです。自分なりにコロナ禍をどう過ごすか考え、実行している人が多いと感じました。
コロナ禍での就職活動
コロナにより、韓国内での就職活動はどのような変化があったでしょうか。
まずはオンライン選考です。日本同様、規制が厳しい時期は対面からオンライン選考に切り替わりました。特に説明会や、初段階の面接はオンラインが多かったようです。
企業側は基本的に対面を望んでいる企業が多かったので、規制が緩和されてからは次第にオフラインに戻ってきており、現在は対面が増えていると聞きます。
尚、韓国の大企業であるサムスンでは、書類と試験を合格した人に面接用のパソコンを送っていたそうです!
採用中止や内定取消しに関しては、やはり航空・観光・飲食店業界などの業界はやあったようで、リストラも多く、中小企業の多い韓国では採用自体を取りやめる会社も多く見られました。
一方学生側の志向としては、専攻外の学生も受けられる開発者向けのプログラムが増加したり、エンジニアの給与が上がってきていたりといった背景が元々あり、IT業界の人気が増していました。コロナ禍の飲食やホテル業界の冷え込みは、IT業界の人気を後押ししていたように感じます。
ちなみにゲーム開発の会社を受けた私の友人は、面接の時にコロナ禍でどれくらい技術を蓄えたかを見られていたようですよ!
現在の韓国での就職活動
現在の韓国はコロナ前の姿に戻ってきており、大学祭やコンサートなどのイベントの開催や制限のない飲食店の営業が進んできています。2021年3月には、一時期コロナの影響で下がっていた就業者数も増加傾向に回復しました。コロナ禍で大きな打撃を受け、就業者も減少傾向だったホテルや飲食業界は2021年4月に増加に回復しました。観光業、飲食業の求人も出てきています。
また、国民就職支援制度というものができ、コロナ禍で就職困難となった人に就職相談や活動時にかかる資金の負担などのサービス、また低所得者の生計安定に向けて支援しています。
最後に
韓国では、今年の2月中旬にQRコードや屋外でのマスクの義務化もなくなりました。街でマスクをしている人がまだ大半ですが、少しづつ以前のように戻ってきている気配もあります。
一方、日本国内のグローバル採用を再開する企業の動きも出てきており、KORECでも大手企業やホテル業などの問い合わせが増えています。KOREC登録の韓国人材も、昨年と比較して1.5倍の増加を見せています。日本側の需要と韓国人材の供給が上手くいき、厳しい環境下でも頑張る韓国人材の夢が叶うことを願うばかりです。
こちらもおすすめ
動き出す外国人採用市場。エンジニアや総合職など、今後のグローバル人材に注目!
グローバル人材市場における韓国人材の魅力やビーウェル代表の大亀のインタビュー動画もご紹介しています。