【韓国の食シリーズvol.2】定番料理で知る韓国料理の特徴

今回2週続けてお送りしている【韓国の食シリーズ】。vol.2の今回は、定番料理で知る韓国料理の特徴とその美味しさの秘密を一緒に探ってみましょう!K-カルチャーのブームに伴い、韓国グルメの魅力が世界中で注目されている昨今。中央日報2024年7月4日付のニュースでは、K-フードの輸出額は62億ドルを超え、中でも一番の功労者は即席めんであり最大輸出市場は日本である、という記事がありました。

なぜ今、韓国料理が注目されるのか

近年、K-POPや韓流ドラマといった韓国のポップカルチャー(K-カルチャー)流行の影響で韓国料理が注目を集めており、このブームは単なる流行にとどまらず、韓国食品の輸出増加という形でも反映されているようです。韓国農水産食品公社のデータによれば、2023年上半期の農食品輸出額は前年同期比5.2%増の62億1000万ドルを記録し、その中心にインスタント麺や菓子類がありました。韓国料理の世界的な人気の要因は単にその美味しさや食文化の魅力だけではなく、韓国政府や企業の戦略的な取り組みによるものでもあります。朝鮮日報2024年2月の記事によるとCJ第一製糖などの大手韓国食品会社は、米国や東南アジア、そして日本市場への進出を加速させ、韓国風ギョーザやキムチ、調味料などを世界に広める戦略を展開しているとのこと。世界的にビーガンや健康志向が高まっている今、韓国料理の持つ栄養バランスや発酵食品の価値が評価され、多くの消費者に支持されているという背景もあるようです。

韓国料理の定番とその魅力

韓国料理には、シンプルでありながらも深い味わいが詰まった料理が数多くあります。ここでは、日本で人気の韓国料理をいくつか紹介し、それぞれの特徴と魅力について解説します。

ビビンバ

日本でも広く知られているご飯にナムルや肉、卵など様々な具を入れてコチュジャンを加えてから混ぜて食べる料理。石焼きビビンバとして提供されることも多く、いろいろな野菜を一度にたっぷりと摂ることができ、栄養バランスに優れた料理といえます。韓国では「スッカラ」と呼ばれる平べったいスプーンを使って全体を切るように混ぜて食べます。

トッポッキ

もち米で作られた餅(トック)を甘辛いコチュジャンソースで炒めた料理です。韓国屋台で人気の一品で、日本でもその手軽さと美味しさで人気を博しています。トックと一緒に炒める具材はどんなものでもよく、冷蔵庫に余っている野菜や肉などを消費できるメニューとしても人気です。最近では、チーズや海鮮を加えたアレンジトッポッキがSNSで話題となり、家庭でも簡単に楽しめるレシピが広まっています。日本でも、スーパーなどで簡単に楽しめるミールキットを手に入れることができます。

スンドゥブチゲ

柔らかい豆腐(スンドゥブ)をメインにした辛口の鍋料理です。「チゲ」と言う言葉そのものが鍋料理全体を意味します。日本だと鍋料理は一つの大鍋で提供されるものが多いですが、韓国では一人に一つの小鍋で提供されることが一般的。豚肉や海鮮、野菜などがたっぷりと入ったスープは、寒い季節にぴったりで韓国料理の特徴である「辛さ」と「旨味」が凝縮された一品。

チヂミ

韓国風のお好み焼きのような料理で、ニラや海鮮を生地に混ぜて焼き上げた一品です。外はサクサク、中はモチモチとした食感が楽しめ、ビールのおつまみとしても人気。家庭でも簡単に作れるため、日本の家庭料理としても定着しつつあり、韓国ではポツポツと雨の降る音がチヂミを焼く音に似ているからや、農業が主流だった時代に、雨が降ると農作業ができないと言う理由から家にある物で簡単に作れるチヂミと、当時農民たちの間でも人気があったマッコリを一緒に食べながら雨が上がるのを待っていたと言う歴史的な諸説があります。

韓国料理の歴史と文化的背景

韓国料理は、豊かな歴史と文化的意義を持っています。起源としては古代から続く農耕文化と深く結びついており、自然の恵みを活かした食材の使用が特徴です。例えば、発酵食品であるキムチは、長い冬を越すための保存食として発展し、韓国人の食生活に欠かせない存在となりました。

また、韓国料理には「家族の絆」を象徴する食文化が根付いていて、家族で囲む食卓は韓国社会におけるコミュニティの核であり、料理を通じて家族の絆が深まると言われています。伝統的な食卓には、主菜、副菜、スープ、ご飯が並び、バランスの取れた食事が重視されます。

近年では、韓国料理のグローバル化が進む中で、伝統と現代の融合が図られています。例えば、サムギョプサルやプルコギといった焼肉料理は、世界中で人気が高まっているため現地の食材や調理法と組み合わせた「韓国風」料理も多く見られるようになりました。

韓国料理を楽しむための食事マナー

韓国料理を楽しむ際には、いくつかの食事マナーを守ることが重要です。ご飯はお箸で直接口に運ぶのではなく、スプーンを使って食べるのが一般的です。また、スープもスプーンを使って飲みます。家庭的なスタイルの一つとして、キムチを手でちぎって食べることがあります。さらに、食事中に音を立てるのはマナー違反とされており、目上の人よりも先に食べ始めることも避けるべきです。食事が終わったら、テーブルをきれいに拭いてから席を立つのが礼儀とされています。韓国料理の美味しさだけでなく、こうしたマナーを知ることで、より深く韓国文化を理解することに繋がっていきます。

まとめ

K-カルチャーの波に乗って世界的な広がりをみせる韓国料理ですが、その背後には長い歴史と深い文化的背景が存在します。今回の特集記事を通じて韓国料理の魅力を再発見していただき、また韓国人材への理解、コミュニケーションの際の一助になれば幸いです。

参考文献

韓国料理にはどんなものがある?特徴、歴史、魅力、料理の種類を紹介します! | ゼヒトモ

「なぜKフードは大ヒットしたのか」 ハーバード大学で研究・教材公開

「Kフード+」輸出額62億ドル超える…一番の功労者は即席めん、最大輸出市場は日本 | Joongang Ilbo | 中央日報

韓国食品企業、世界市場進出加速…K-フード人気に支えられ