日本と韓国では、就職活動の違いはあるのでしょうか?
今回は、それぞれポイントに分けて、日本と韓国の就職活動の違いについてお伝えします。
1.就活時期について
日本では、大学3年次から就活を始める人が多く、4年次には学業より就活を中心に行う学生が一般的ですが、韓国ではどうなのでしょうか?
韓国の学生は、就活を
全ての学位を取得した4年次後半から始めることが一般的です。
学生のうちは学業に集中するそうです。
しかしながら大学に入学した直後から就活を意識し、経営学や経済学を複数選考し、就活前に多くの知識を蓄え学生や就活に有利な資格の取得・長期インターン・ボランティアをするような学生も多く見受けられるようです。
それは韓国国内での厳しい就活を勝ち抜くためであり、韓国学生は学業だけでなく、資格やボランティア活動で他の学生との差別化できる経験を積極的に行なっているようです。
就職難の韓国では就職率が60%と低迷しており、就職すること自体が難しいため、
卒業を延期して就職活動を行う学生もいます。
2.ポテンシャル採用とスペック採用
日本の新卒採用では、総合職・一般職として採用し、各職種に配属するという流れが一般的です。そのため、日本ではスキル以上にポテンシャルが入社時の判断基準になる場合が多くあります。
一方韓国では、各部署に欠員が出てから随時採用情報が公開され、ポジションでの採用を行うことが一般的です。これは新卒採用においてもこの傾向があります。そのため、スキルや学歴・資格などのスペックが重要視され、実力重視のスペック採用となる傾向があります。
3.就活生側が企業選びの際、重視するポイント①
日本の就職活動では身に付けたいスキルや待遇だけでなく、
自分の興味や自分の将来のなりたい姿、または社風を考慮して企業選びをするなど自己分析を行い、目指す会社を選ぶ学生が一般的です。
一方韓国では、
求められるスキルや待遇から企業選びをすることが一般的です。
言い換えるなら学歴=職業選択となります。
日本では、ポテンシャルでの評価によって職業を通してスキルを身に付けていくことが一般的ですが、韓国では、入社時に働く時に求められるスキルを身に付けていることが前提となっており、新卒採用と中途採用の垣根がない状態になっています。
また、日本では志望理由を話す時、社風・事業内容・ビジョンへの共感を中心に話し、自分の過去のエピソードなどでそれを証明することが一般的ですが、韓国では自らのスキルが活かせるかであったり企業の待遇を志望理由にし、成果のある実際の経験を話し証明します。なぜなら、成果のない経験は認められない風潮があるからです。そのため、就職に有利な資格・成績を学生のうちに取得する方が多いのです。
4.就活生側が企業選びの際、重視するポイント②
日本では、近年ベンチャー企業をファーストキャリアとして選ぶ層も増えてきています。一方で、韓国では、中小企業との格差が大きく年収が低すぎるため、公務員と財閥系大手企業に就職希望が集中してしまう傾向があります。これも韓国の就職難の大きな原因の1つとなっています。
5.企業側が採用の際、重視するポイント
ポテンシャル採用が主流の日本では、
スキルや資格よりも、コミュニケーション力や素直さなどの人柄、または理念の共感や学生時代の経験にもとづくコンピテンシーを採用基準にする企業が多いです。
しかし、スペック採用を行う韓国では、その人が持っているスキルや資格・経験などを重視します。
こちらの記事
(https://magazine.hankyung.com/job-joy/article/202102248617)
によると、
「企業5社のうち3社は、採用時に
職務能力の評価を今後さらに重要視する」
ということを明らかにしたようです。
職務能力とは:
「プロジェクトの実行経験」「職務に関連するインターン経験」「大学での専攻」「職務に関連する資格」
が主に挙げられます。
さらに、その経験を成果のあるものにしなければならないため、
相当なハイスペック人材が韓国では求められているようです。
6.まとめ
日本 | 韓国 | |
就職活動時期 | 3年次〜 | 4年次後半〜 |
採用形態 | 総合職・一般職一括採用 | ポジション別採用 |
就活生側の企業選びの視点 | 自分の興味ビジョン共感・社風など | 自分のスキル待遇大手企業かどうか |
企業側の採用の際の視点 | ポテンシャル | スペック |
就職活動とひと口にいってもこれだけの違いがあります。
受験戦争で有名な韓国は、就活も実力主義ということがよくわかります。韓国の就職活動の実態を見ることで、就活難に陥っている原因も見えてきます。国内が就職難だからこそ、日本での就職を希望する韓国人学生が多いのも事実ですし、一方で日本の中小企業にとっては優秀な人材を採用するチャンスが大いにあります。
韓国人学生の採用をご検討されてみてはいかがでしょうか?