韓国の兵役の中で、最も過酷と言われる海兵隊に所属していたZerO(ゼロ)さんことカン・ヨンモさん。モバイル通信事業者代理店の『アロージャパン』を経て、現在はスタートアップ企業の創業メンバーとして働いてらっしゃいます。海兵隊出身という非常にタフな経験を持つゼロさんですが、今回は日本就職の経緯や転職、夢などについてお話を伺いました。
ワーホリで感じた日本でのビジネスチャンス
ーーー本日はよろしくお願いいたします!自己紹介をお願いします!
カン・ヨンモと申します。中学の頃からZerOという名前で音楽活動をしており、周りからはゼロと呼ばれています。つい最近29歳になりました!
大学では国際関係学を勉強していて、卒業後に日本の通信系企業に就職しました。現在はあるスタートアップ企業で働いています。
ーーー日本就職を目指したきっかけはなんですか?
自分の能力が発揮できる環境を探していた中で、日本をすごく魅力的に感じたからです。
大学を卒業する前に、国際関係を勉強しているくせに海外経験が日本旅行しかないことに気づいて、ワーキングホリデーにいく事を決心しました。
ーーーワーキングホリデーでは何をしていましたか?
焼肉屋で働いていました。最初は日本語学校に一ヶ月半ほど通っていたのですが、経済的に厳しくなり、一日おにぎり一個という生活をしていました。そこで、学校を辞めてアルバイトを探しました。日本語が話せなかったので、皿洗いでもいいから家賃のために働かせてほしいと、翻訳機を使いながら必死にお願いしました(笑)。
ーーー実際に働いてみてどうでしたか?
1年間過ごしてみて、日本は先進国であるにもかかわらず、ITなどの社会の変化が比較的遅いと感じ、ビジネスチャンスがあると思いました。例えば、送金に手数料がかかったり、銀行のアプリが無かったりなど・・。
また、0から1を作ることが好きで、1を100にさせることに自信を持っていたので、日本でキャリアを始めたいと思いました。
ーーー学生時代はどんな活動をされてましたか?
学生時代は勉強だけでなく、アルバイトやサークルを何個も掛け持ちしたり、音楽活動もしていて、睡眠2時間という生活をしていました。その中で自分の好きなことは、誰も考えていないものを生み出すことだと気づきました。
他にもhiphopサークルではリーダーを務めていましたが、後輩の意見を尊重しながらも発展させて上手くまとめたり、アドバイスすることは得意だと思います。
日本での就職:転職を経てスタートアップに挑戦!
ーーー前職『アロージャパン』での業務を教えてください。
通信業界の代理店で、埼玉にある店舗で販売員をしていました。社内で一番実績を出している店舗だったので、毎日忙しかったですね。ただ、会社の規模が大きくなり、自分のなりたい像と会社の求める像が合わないと感じたので転職を決めました。
ーーー現在のスタートアップではどのようなことをしていますか?
マッチングアルゴリズムを活用したアプリや新しいサービスを作っている会社で、主にカスタマーサクセス業務を担っています。お客様からの問い合わせ業務はもちろん、サービスを始めてから辞めるまでの体験を全て管理しています。
世の中にある点と点を結びつけて新しい価値を見出せるサービスなので、単に利益を生むといった、ビジネス以上の社会貢献ができるところに惹かれました。
日韓の企業の違い
ーーー日本で働いてみてギャップはありますか?
交通の便が良く、食文化が似ているので住みやすい環境だと思います。ただ、日本は個人と周りの意見が異なる場合、周りを優先する雰囲気があるので、周りを気にせずにやりたいことをやる人にとっては苦労するかもしれません。
人間関係で苦労したことは特になく、バイトや仕事で関わった人とは今でも仲良くしています。辞めたにもかかわらず、前職の人が連絡をしてくれるので、情に厚いというか、仲良くなると優しい人が多い印象です。
ーーー韓国は個人が主張をして、日本は控えめで周りと調整する感じですか?
そうですね。顕著なのが、韓国は企業説明会のときに企業理念は言わないです。逆に「あなたの夢はなんですか?」と深堀りされます(笑)。個人個人の夢や目標を集めて、それで方向性を探っていく企業が多いですね。
ーーー最後に、ゼロさんの夢を教えてください!
すべての人に夢を見いだせる星のような存在になることです。中学や高校時代に病院でボランティアをしたのですが、「早く死にたい」という人と「まだ死にたくない」という人に分かれていました。その違いを考えたときに、死にたくない人には夢があるのではないかと考え、今の夢を持つきっかけになりました。
まとめ
海兵隊の経験をしてから、究極の自信を持てるようになったというゼロさん。日本語が話せない中でもワーホリに挑戦したり、スタートアップの創業メンバーとして参画するなど、非常にタフで色濃い経験をされているところが印象的でした!最後には、「スタートアップはハイリスク・ハイリターンだけど、やりたいことのために人生を懸けてます(笑)!」と語ってくださいました。
後編では、海兵隊についてじっくり聞いたエピソードをご紹介します!
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