韓国財閥シリーズ④LGグループ

久しぶりに韓国財閥をご紹介するシリーズです!第4回は、日本でもT Vや洗濯機など生活家電で目にする機会も多いL Gグループ。他財閥とは少し違った特徴を持つ、L Gグループの魅力を紹介していきましょう。

成り立ち

1947年に創業した樂喜化學工業社(現LG化学)と、1958年に創業した金星社(現:LGエレクトロニクス)が一緒になって誕生したのが「ラッキー金星グループ」です。1995年以降は、「ラッキー」(Lucky)の頭文字のLと、「金星」の朝鮮語ローマ字(Geumseong)、また電化製品の海外市場向けの商標である 「GOLDSTAR」 の頭文字もGであることから、「LG」と名称を変更しています。

白モノ家電に強いLGエレクトロニクス、車載電池の分野で世界トップシェアを誇るLG化学を中心に、韓国4番手の財閥として存在感を示しています。

強み

大型パネルの量産に成功しているLGエレクトロニクスでは、T Vや携帯などの分野で世界シェアを獲得しており、中でもエアコンはここ数年世界シェア1位のポジションを位置し続けています。韓国企業ならではの緻密なマーケティング力、デザイン性が高く評価されています。

またLG化学はハイブリッドカー用のリチウム電池の分野が強みです。中でもEV向け電池で急拡大を遂げており、2020年から電池部門は「LGエナジーソリューション」として分社化しています。2021年はLGバッテリーセルの欠陥により、シボレーやセネラルモーターズなど搭載車のリコール問題が噴出した年でしたが、今後も多額の投資を行って北米でのバッテリー事業の強化を計画しています。

企業データ

創業者具仁會(ク・イネ)
現在のリーダー具光謨(ク・グァンモ)
総資産112兆3000億ウォン
グループ理念 創造と協業で未来技術を実現し、幸せな社会作りに貢献する
主なグループ企業LGエレクトロニクス、LG商事、LG化学
平均勤続年数15.7年(2017)

トピックス

(故具本茂氏の葬儀にて遺影を抱く具光謨氏。写真は연합 뉴스より)

世代交代

3代目会長、具本茂氏の死去をきっかけに、2018年弱冠40歳で会長に就任したのが、長男(養子)の具光謨氏です。創業家の「長子中心経営権継承」の考え方に基づく就任であり、当初は実力不足を懸念されていた具光謨会長でしたが、2022年1月に発表された前年度の売上高は74兆7219億ウォンで、過去最高を記録。事業整理や先行投資、刷新人事など、スピード感を持って取り組む姿勢が評価されています。

政治との距離

贈収賄でトップが逮捕されたサムスン、オーナー一族の不正資金疑惑のロッテ等、政治と金にまつわる黒い噂が尽きない韓国経済界。政権癒着が横行する韓国経済界の中において、LGグループは他財閥ほど政治との距離が近くなく、クリーンなイメージを保持している財閥と言えるでしょう。

また、韓国財閥の中で初めて持株会社に移行したグループであり、透明性の高い経営で知られています。

時代に合わせた革新的な動きに期待

冷え込む韓国経済において、国を支える重要な役割を担う韓国財閥。グローバルに成長を続けるLGグループへの期待も大きいです。

2022年の新年時の挨拶では、「革新」を取り上げた具会長。スマートフォン事業の撤退など暗い話題もありますが、次世代iPad向けの有機ELディスプレイをAppleに供給するなど明るい話題も。今後の「革新」的な動きに注目です!

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