出張の際でも頼れる存在!?韓国のフードデリバリー

皆さんは、韓国ではフードデリバリーが多くの人々に利用されていることをご存知でしょうか。2024年3月の電子新聞(韓国)の調査によると、調査した消費者全体の約80%はフードデリバリーを利用したことがあり、週に1回以上利用している人は約30%いました。今回は、韓国で多くの人々が利用するフードデリバリーの概要と利用方法についてご紹介し、企業の皆様も韓国に来られる際には、韓国スタイルのフードデリバリーを体験してみるのはいかがでしょうか。

韓国のフードデリバリー3大アプリ

韓国でのフードデリバリー文化は、今から約45年も前になる1976年に冷麺を配達したことが始まりと言われているほど古い歴史があるそうです。携帯電話や配達アプリの普及、コロナ禍の非対面式の食事が推奨されたことが要因となり、利用者数は伸び続けています。韓国のフードデリバリー業界における3代プラットフォームは、1位-ペダルの民族(60%)、2位-クパン(20%)、3位-ヨギヨ(16%)となっています。(カッコ内の数字は2024年6月現在の韓国国内シェア率)日本でフードデリバリープラットフォーム1位を誇るUber Eatsは、韓国では2017年にサービスを開始しましたが、2019年10月に撤退しており、既存デリバリー業社の根強さが伺えます。

学校や公園にも配達可能!

どこへでも配達が可能

公園や海水浴場といった屋外はもちろん、大学の講義室や会社、病院などの公的な場所への配達も可能です。ソウルを流れるハンガンのピクニックスポットには、ペダル(=配達)ゾーンと呼ばれるものが複数設置されており、屋外でも配達員と注文者が簡単に待ち合わせをして、商品の受け取りができます。

軽食、コンビニの商品もデリバリー可能

飲料やデザートなどの軽食についてもフードデリバリーのサービスがあります。最低金額の設定はありますが、おおよそ10,000ウォン(約1100円)以上の注文でデリバリーが可能なお店が多いです。また、韓国の大手コンビニであるCUとGS25も24時間のデリバリーサービスを開始しました。タバコや酒類等、配達できない商品は一部ありますが、他のフードデリバリーと同様で、注文してから数十分で配達してくれます。

深夜でも配達可能な店が多い

韓国では、夜遅くまで営業しているカフェや24時間営業の飲食店が多くあります。遅くまで勉強をしている学生や夜勤をしている会社員など、忙しくて時間がないという方にも手間なく食事をとることができます。

韓国フードデリバリーの人気メニュー

-チキン

韓国といえば、チキン屋の店舗が約30,000店近くあるチキン大国です。(2022年現在、コンビニ約55,000店、韓国料理屋約40,000店)チキンチェーン店も数多くあり、競争に勝ち残るため、各店によって味や食感やサイドメニューに違いがあります。また、チキンムと呼ばれる大根のお漬物と一緒に食べるのが韓国流です。

-ピザ

日本と同様にイタリアン風のトマトソースやチーズを乗せたメニューもありますが、韓国ならではのメニューとしてコグマ(さつまいも)のトッピングやチリシースがあります。種類やサイドメニューが豊富で、大人数での食事にもぴったりです。

-トッポギ

韓国料理の定番であるトッポギもデリバリーが可能です。餃子や魚のすり身、キンマリと呼ばれる春雨を海苔で巻いたものの天ぷらを一緒に注文してトッポギのソースにつけて食べたり、チュモクパプと呼ばれるご飯と韓国海苔を手で混ぜる韓国風おにぎりと一緒に食べたりします。最近は、辛さの段階の違いだけでなく、ロゼソースや麻辣ソースといったソースに特徴のあるトッポギが流行しています。

-ヨアジョン(ヨーグルトアイスクリーム)

韓国スタイルのヨーグルトアイスクリーム全般を指す言葉として知れ渡っています。自分流にトッピングをカスタマイズできるのが特徴で、中でも蜂の巣付きのはちみつが人気です。サイズを選べることやヘルシーさから、韓国の若い女性の間で流行しています。

アプリ登録、支払いの注意点

(上の図は2024年10月13日時点での情報です)

韓国でフードデリバリーアプリを短期滞在の外国人が利用する際の注意点をまとめました。登録方法はもちろん、必要な認証などがアプリによって異なるので注意が必要です。アプリによって異なりますが、現時点では韓国の電話番号がほとんどのアプリで必須です。筆者自身、旅行で韓国に来た際、深夜で疲れていたためホテルの方に代行していただき、フードデリバリーを注文した経験があります。ホテルによっては安全性の観点からフードデリバリーを禁止している場合もありますので、事前に利用可否を確認する必要があります。

また、韓国の電話番号が無くてもアプリを追加することは可能ですので、デリバリー先を設定して注文したい商品を見つけてから、代行を頼むのがスムーズです。韓国の電話番号がない場合、フードデリバリーの普及率が高い韓国では、ホテルのスタッフの方々や同僚・現地スタッフに代行していただくのが良いかもしれません。(2024年10月現在)

韓国フードデリバリーに関するニュース

-店頭とデリバリーで異なる二重価格

近年、デリバリー価格を店頭よりも高くする二重価格を設定するお店が増えています。消費者として、まずは店頭とデリバリーの価格が異なる可能性があることを認知した上で注文をするようにしましょう。

-配達員がつかまらない

最近、フードデリバリーの到着遅延に関する報道が多くあります。ドライバーが来ず、店主が配達するようなこともあったようです。要因は、ドライバーが不足していることと、1人のドライバーが複数の配達を同時に行うと配達料が少々割引されるサービスの導入が考えられるそう。このような事態が起きないよう、表示される到着予定時刻よりも少し遅めに見積もったり、スピーディーに配達してくれるサービスに課金するようにしましょう。

まとめ

今回は、多くの韓国国民に愛されているフードデリバリーについてご紹介させていただきました。出張などで韓国に来られた際には、学生との交流会やホテル滞在のお食事に利用し、韓国スタイルの食事を楽しまれるのはいかがでしょうか。今回の記事が、企業の皆様が韓国へ来られた際の参考になれば幸いです。