韓国人学生は東京しか知らない⁉️ 働く場としての日本

2023年7月31日付のkorea waveによると、ホテルズドットコムが公表した今夏(6~8月)「最多検索旅行地10カ所」のうち1位は大阪、2位が東京、5位は福岡が入りました。日本の都市が3箇所も入っているということは「日本」というよりも場所を目当てに旅行していることがわかります。では、働く場所としてはどうでしょうか。今回は在留外国人の資料などを元に調査をしてみました。

韓国人観光客に大人気の都道府県ー大阪・東京・福岡

先の調査で人気第1位だった大阪。伊丹空港、関西国際空港があり韓国からの移動距離の近さは言うまでもないですが、その他世界的な人気を誇る京都や奈良へのアクセスが非常に便利なのも要因の一つとされています。大阪ならではのグルメが楽しめ、さらに数々の観光名所が楽しめる人気の観光地です。

また5位の福岡市の発表によると、福岡を訪れる外国人観光客の半数が韓国人旅行客とのこと。福岡とソウルを結ぶ飛行機は大阪同様便数も多く、飛行時間は約1時間30分の手軽さです。また福岡には有名な商業施設や飲食店がたくさんあり、ご当地グルメも有名です。安くて近くて日本を充分楽しむことが出来る手軽さから人気のようです。

働く場所・生活する場所は関西と関東で二分!

では実際に働く場所・生活する場所として、人気の都道府県はどこでしょうか。都道府県別の在日韓国人の方の人数を調べると、1位は大阪府、次いで東京都、兵庫県、神奈川県の順となっています。大都市含めてその周辺の都道府県にも多く在住されていることがわかります。

また歴史的背景で韓国人の方が多く住んで栄えた地域もあります。東京都の新大久保界隈は昭和初期から多くの外国人留学生の受け入れが進む地域であり、近年日本と韓国双方で知られる企業が新大久保近辺で工場を建設し、韓国から多くの関係者が来日するようになりました。大阪府生野区には、大正時代末期に韓国済州島と大阪をつなぐ貨客船が就航したことで多くの方が来日しました。今や日本一大きなコリアンタウンとして沢山の韓国人の方が暮らしています。

韓国人学生は日本=東京しか知らない?

当社が2021年4月に日本就職を目指す韓国人学生175人を対象に「働きたい場所」を調査した際、約72%の学生が東京都と回答しています。ついで大阪府、北海道、福岡県、愛知県、千葉県、神奈川県、京都府となりました。

前出の都道府県別在住人数と比べて東京都のポイントが高すぎる点について、これは単に韓国人学生が「日本の他の都市名を詳しく知らないこと」が要因のひとつと考えられます。言い換えれば、日本人に韓国の都市の名前を尋ねた際にソウルと釜山は知っていても、それ以外はなかなか出てこない事象と同じだと想定できます。

韓国人学生に対して「働きたい場所」になるためには

当社では韓国人採用において、東京が有利、他都市が不利ということはないと考えています。北海道釧路市が勤務地となるA社では、釧路市の魅力をしっかり伝えたことで「釧路市に住んでみたい、働いてみたい」という志望者が集まり、1年間で5名以上の韓国人学生を採用しているケースもあります。

東京以外の地域にて韓国人学生へ採用をPRする際は、これまでの企業説明に加えて「地域の特性」や「家賃の相場感」「生活のしやすさ」「近隣エリアへの交通の便」など働く場所としての優位性もしっかりアピールすることが大切と考えます。

まとめ

今回は韓国人の方が多く訪れる都道府県と、都道府県別在日人数について調べてみました。在宅ワークなど働き方の選択も増えたからこそ、働く場所を一つの魅力と捉えて韓国人学生へアピールするきっかけになると幸いです。

参考文献

https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/793232/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000059626.html