韓国の未来世代におけるイエス・ジャパン現象について

韓国では今、若者層のことを「未来世代」と呼び、今後の成長戦略・外交手段の一つと捉えられています。その未来世代にあたる10〜30代はまた、日本文化や日本製品を楽しむ「イエス・ジャパン世代」とも呼れているそうです。今回はそんな「イエス・ジャパン世代」から人気を博している日本のモノ・コトについて調べてみました。

コロナ禍で人気爆発!日本製ゲーム

韓国では、2019年に不買運動が起こりましたが、2020年世界的に新型コロナウイルスが流行したため、その流れは変わっていきます。コロナ禍でおうち時間が推奨されるようになった韓国で一世を風靡したのは、任天堂スイッチなどの日本製ゲーム機でした。韓国の流通会社によると、20年1月〜6月の上半期時点でゲーム機は前年同期比61.5%増の約17万台、ゲームソフトは107.7%増の61万本販売されたと発表されています。現在でも韓国ではゲーム機が入手困難だったり、新しいゲームソフトの発売日には長蛇の列ができるほどです。

値段が高くても売れている日本製の酒類

下図は、韓国における日本製酒類の貿易輸入の統計表です。これによるとコロナが収まってきた昨年2022年には前年の約2倍の輸入金額になり、今年2023年にはまだ上半期のこの時期で、すでに昨年の総輸入金額を超えています。私のアルバイト先でも、日本の有名メーカーのビールや日本酒が沢山置いてあります。麦芽含有量が少ない韓国ビールの方が安いのに、麦芽含有量100%で値段が高い日本製ビールの方が人気です。*1

世界共通の人気キャラクター

2022年には日本でも販売しているキャラクターを描いたパンが韓国でも流行しました。おまけのシールもキャラクターによっては価値が上がり、オンラインフリマなどで万単位で取引などもされていました。また、日本のアニメ文化も韓国ではここ数年急激に人気が出ています。今年1月に劇場公開されたアニメ映画「THE FIRST SLAM DUNK」は、3月中旬に累計の観客動員数が400万人を突破したそうです。またアニメ映画の4月の興行ランキングでは日本のアニメーション映画「すずめの戸締まり」が184億ウォンで1位を記録しています。

さらにここ数年はジブリ映画や「クレヨンしんちゃん」の人気が定着しています。90年代後半から2000年にかけて韓国では日本の漫画や映画の放映が解禁になり、今の20代の人たちは幼少期から日本のアニメを見て育ってきた影響のようです。

実はJPOPも人気が高い!

日本のアニメや映画の主題歌を始め、最近はSNSの音源などで日本の曲が使われたりすることで、JPOPも人気が出ています。上の写真は今年6月上旬時点の韓国のカラオケボックスで撮影した日本の曲の人気チャートランキングです。右の数字は歌われた回数となっていて、かなり親しまれているのかがわかると思います。

まとめ

自国の文化が他国で流行したり、気に入られるというのはとても誇らしいですよね!普段韓国の大学に通って生活していると、こんなところにも日本の文化が?という場面に驚くと同時に、日本と韓国はモノ・コトを通じた「未来世代」ー若者である私たちがどんどん繋がっていく空気感を実感します。これからも韓国と日本の関わりについて発信してきたいです。

  • 参考文献

*1ー出典:関税庁輸出入統計ー관세청 수출입 무역통계