韓国の日本語教育事情

今回は韓国の日本語教育についてです。韓国では、中学校や高校から第二外国語を選んで学びます。日本語は第二外国語として人気の言語で、旅行のためにと気軽に学ぶ人も多いようです。そんな韓国での日本語教育についてご紹介していこうと思います!

世界中で学べる!日本語教育機関数は韓国が1位!

実は、韓国は日本語教育の機関数で見ると世界1位なんです。最新の2018年度の調査では、2位のインドネシア、3位の中国を抑えて2998機関も運営されています。

(国際交流基金 2018年度海外日本語教育機関調査結果より)

一方、日本語教育機関の中で学習者数の内訳を見ると、中等教育(主に中学校・高校)が77.4%を占めています。初等教育の段階で日本語を教えている機関は全体の0.1%とさすがに少ないですが、大学や専門学科校を示す高等教育は7.5%、日本語学校や日本への留学・就職のための塾などを示す学校教育以外の機関でも15.1%です。全体の8割近くが中等教育機関で学ばれています。

(国際交流基金 2018年度海外日本語教育機関調査結果 学習者数の内訳より)

この背景として近年、第二外国語として授業カリキュラムで学ばれていることが挙げられます。高校では1973年から、中学校では2001年から第二外国語(生活外国語ともいう)として日本語教育が開始されました。選択科目の中に第二外国語があり、他にもドイツ語やフランス語、スペイン語や中国語がありますが、1986年以降、第二外国語の中で日本語が学習者数1位となっています。

多くの学生達が中学生時代に興味関心を持って日本語を選択し学んでいるのです。一部の大学では入試試験で第二外国語の試験があるので、そういったことも日本語学習者の増加に一役買っているのかもしれません。

世界で一番日本語を学んでいる人が多い国は・・?

先ほどは「機関数」で比較しましたが、「学習者数」で見ると中国、インドネシアに次いで韓国は世界第3位です。2018年は、531,511人で2015年からは4.4%の減少傾向でした。

(国際交流基金 2018年度海外日本語教育機関調査結果より)

また、日本語教師の数は、中国に次いで世界第2位です。2018年は、15345人でした。1万人を超えているのは、韓国と中国のみです。2015年からは3.3%増加傾向でした。韓国の人口は5,000万人強なので、それを考えると韓国で日本語を学ぶ人の割合が非常に高いのが分かりますね!

(国際交流基金 2018年度海外日本語教育機関調査結果より)

日本語を学んだきっかけを韓国人に聞いてみた!

日本語を学ぶ人が増えている韓国。私の周りの韓国人にも、日本語を学び始めたきっかけを聞いてみました!認知症予防として学んでいる人、日本のインテリアや建築を学びたいと思い学んでいる人、歴史に興味を持ち学んでいる人など様々な理由があリましたが、特に多かったのは・・!?

「日本のアニメや漫画が好き!」

やはりアニメや漫画がきっかけの人は多いです。読んだり見たりしているうちに自然と日本語を覚えてしまった人、そこから興味が増して本格的に勉強を始めた人など・・。アニメや漫画だけでなく、ドラマや映画、日本の音楽に興味を持つ人もたくさんいて、教材としてもよく活用していました。

「学校で学んだ延長線として、日本語を自分の武器に!」

学歴社会の韓国にスキルアップは付き物。中等教育で学んだ後、より高度な日本語力を求めて勉強をします。塾に行ったり留学したり、自分の武器となる高い日本語力を身につける努力を続けるようです。

「日本企業に就職したい!」

ゲームや車、家電メーカーなど、韓国でも有名な日本企業は数多くあります。そんな日本企業での就職を目指して日本語を勉強している人もいます。中等教育ですでに第二外国語を学ぶ韓国なので、学生の頃から海外就職という広い視野を持って行動する人が多いようです。

「結婚相手や親戚が日本人!」

親戚や恋人が日本人、または義理の娘や息子(自分の子供の結婚相手)が日本人だという人もいました。この理由は年齢関係なく勉強を始めるきっかけになっていると思います。私が聞いた主婦の方は、息子の結婚相手が日本人で日本語で会話をしたくて始めたとおっしゃっていました。日韓は交流の歴史も長く、在日韓国人の方も多くいらっしゃいます。身近な人間関係から、お互いの言語を学ぶきっかけを得た人も多くいるようです。

「旅行で使いたい!」

これも年齢問わずいらっしゃいます。旅行で使うためだったら、気軽に始めることができ、良いですね。早く韓国と日本の旅行が楽に出来るようになりますように!

 

ここが難しい!韓国語にはない日本語の複雑さ

韓国語は基本的にハングルしかない一方、日本語はひらがな・カタカナ・漢字があり、中でも漢字は読み方が様々で複雑なので覚えるのに苦労するそう。また、尊敬語・謙譲語・丁寧語と複雑な敬語の使い方も苦労するポイント。韓国も上下関係が厳しく敬語は必須ですが、日本語の敬語の仕組みとは少し違うので理解が難しいようです。しかし、韓国の人達はとにかく勉強熱心なので、私の周りの韓国人も継続して書いたり読んだりしてどんどんマスターしていってました!

まとめ

日本でいう中学生の時代から第二外国語を学ぶ韓国。より早い段階から日本語と触れ合う機会があり、幼い頃から日本のカルチャーなどで身近な言語として感じていることが分かりました。

韓国には日本語能力試験のN1の取得や日本留学、就職などを目指し、高度な日本語力を身につけている人がたくさんいます。手軽に言語を学び合い、お互いの理解がより深まれば良いですね!

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