K-POPの歴史ー知っておきたい基礎知識

KORECではこれまで韓国・韓国人学生をよりよく知るきっかけとなる韓国文化の紹介記事を公開してきましたが、今回初めて「K-POP」についてまとめてみました。今や世界でも欠かせない音楽ジャンルとして確立されたK-POP。その成り立ちから現在まで世代別にご紹介していきます。

K-POP 大手3大事務所の成り立ち

日本で2019年頃に「お笑い第七世代」という呼称がブームとなったように、K-POPでも同じように世代ごとに区分されることが多く、最近デビューをしたK-POPアイドルは第4世代と呼ばれます。まずはK-POPの始まりとされる大手3大事務所の成り立ちからご紹介します。

  • ・SMエンターテインメント

K-POPを語る上で欠かせない最も歴史のある事務所として有名です。創設者イ・スマンさんはアメリカ留学の際に受けたダンスミュージックの影響から韓国産ダンスミュージックのプロデュース活動をスタートされます。その後、K-POPアイドル界の原点であるH.O.T.のプロデュースで大成功します。

  • ・YGエンターテインメント

また、この時期に韓国で爆発的な人気を誇ったソテジ・ワ・アイドルが登場します。3人の男性グループで、メンバーにYGエンターテインメント創始者ヤン・ヒョンソクさんがいます。ソテジ・ワ・アイドルは人気絶頂の中解散してしまいましたが、後に自由に歌詞を作れる制度や、可愛くてかっこいい衣装が受け入れられるように大きな影響をもたらしたグループです。

  • ・JYPエンターテインメント

バックダンサーからソロ歌手となった パク・ジニョン(J.Y. Park)さんは、奇抜な衣装で批判されるも自由な演出を追求していきました。その後、現CUBEエンターテインメントの代表となるホン・ソンスンさんと共同で事務所を設立し、2001年にJYPエンターテインメントを創立しました。最近では2019年夏から始まった日韓合同の大型オーディションで話題をさらった事務所でご存知の方も多いかも知れません。

第1世代 K-POPアイドルの原点

第1世代は1990年代後半から2000年代前半に活躍したK-POPアイドルを指します。1996年に10代の少女をターゲットにデビューしたH.O.T.は公式ファンクラブ10万人超えのトップアイドルとなり、アイドル界の基盤を作っていきました。第1世代はラップの入ったダンス曲が特徴で、オタ活や推し活という言葉のようなファン文化が広まったのもこの時代からです。第1世代から世界での活躍を目指すグループが多く、台湾や中国、一部は日本にも進出しました。

第2世代 インターネットの普及による世界進出

第1世代のグループが次々に解散していき、2000年代後半から2010年代初期に向けて第2世代が活躍しました。日本でも人気が高まり、K-POPブームの火付け役となりました。YouTubeなどの動画サイトでMVを見てダンスを真似した人が多いのではないでしょうか。この時代にインターネットが普及したことで世界中にK-POPが広まりました。第2世代では特に、先ほど紹介した大手3大事務所がK-POPの基盤を築いていきました。

第3世代 親しみやすい世界的アイドルへ

第3世代は主に2010年代に活躍したK-POPアイドルを指します。この頃、YouTubeやV LIVEを使ったSNSのコンテンツが増え、ライブ配信などをきっかけに世界同時に楽しめる親しみやすいK-POP文化が浸透していきました。またサバイバルオーディション番組がヒットし、デビュー前から人気を獲得するアイドルグループも誕生しました。同時にファンの活動が活発になり、世界から愛されるK-POPへと大きく躍進しました。また、メンバーが多国籍で、日本人メンバーがいることで日本でのファンの獲得にも繋がり、日本でのK-POPブーム再来となりました。

第4世代 世界中で注目されるK-POPへの成長

第4世代は2010年代末から現在にかけて活躍したK-POPアイドルを指します。より多国籍なメンバーで構成されることが多く、特に2020年代にはガールズグループが多くデビューしています。前途した三大事務所以外の新しい事務所の躍進も凄まじく、あの世界的人気を誇るグループが所属するHYBEやそのグループ会社からのデビュー成功で韓国経済にも影響を与えています。さらに音源ダウンロードのランキングで上位を独占するなど勢いが止まりません。そしてコロナ禍の最中でも、オンラインでのサイン会やオンラインコンサートなど、IT技術を使って世界的人気がより高まっていきました。ファン同士のコミュニティも増え、「推し」の文化が若者の間で浸透しています。

まとめ

K-POPが世界的に認められているのは、多様性を積極的に取り入れつつ、世界進出への戦略を早くから導入していることがポイントだとわかりました。韓国人学生、日本人学生はもちろん世界中の若者が支持しているK-POP。これからどんな成長を遂げるのか楽しみですね。