最終面接で交通費なしは普通?!就職活動における交通費問題の話

「就職活動にはお金がかかる」

「就活中にはバイトができないから貯金をしておこう」

就職活動で出費がかさむのは面接を受けるために遠出をする際の宿泊費や交通費です。

最近では面接のオンライン化が進み、少し前と比べても宿泊費や交通費がかからなくなってきてはいます。しかし、最終面接は対面で行う企業やコロナが落ち着いたことで対面での面接を再開している企業も多々あり、お金のかかる就職活動に戻りつつあります。

今回は「面接で交通費を支給してくれる企業は多いのか」「全額支給か一部支給か」「面接参加の交通費についての問い合わせ方」などをお伝えしていきます。ぜひ最後までご覧いただき、より良い就職活動に活かしてください。

結論:すべての企業が面接参加者への交通費を支払うわけではない

学生としてはぜひ支給してほしい「面接参加時の交通費」ですが、実は全ての企業が交通費を支給してくれるわけではありません。就職ジャーナルによれば、面接参加者への交通費・宿泊費を支給しない企業は63.6%です。つまり交通費・宿泊費を支給することがある企業は36.4%ということです。

参照元:就職ジャーナル「人事1304人に聞いた 「面接や会社説明会で交通費や宿泊費を支給することはある?」【人事のホンネ】」より

オンラインで面接すれば交通費はかからないのにわざわざ対面で面接を受けにいくんだから交通費を支給してほしいという気持ちはわかります。ここではその気持ちをグッと抑えてその企業から内定をもらうための投資だと思うようにしましょう。

面接の際に交通費はどの程度(全額・一部支給)の支払いがあるのか

面接参加者に交通費が支給されるのは大きく分けて3パターンです。

交通費全額支給

面接参加者に対して交通費を全額支給する企業は決して多くはありませんが、一部の企業は上限なしで交通費支給を行っています。ただし、「新幹線は自由席料金」「特急券は自由席料金」などの指定はあります。

新幹線に乗る必要がない場合は新幹線料金の支給がされないなど企業ごとの規定があります。全額支給とはいえある程度の範囲が決まっていると考えてください。詳しい内容については採用担当者に問い合わせると良いでしょう。

交通費の一部支給

面接参加者に対して一部交通費を支給する企業もあります。

例えば

東北からの参加者は上限15,000円

関西圏からの参加者は上限20,000円

九州からの参加者は上限30,000円

など上限を設けて交通費を支給しています。

企業の最寄駅が東京駅で自宅の最寄駅が新大阪駅だと仮定して新幹線を利用した場合、往復で27,740円(新幹線自由席正規料金)が交通費としてかかります。関西圏からの上限が20,000円なので「27,740円-20,000円=7,740円」は自己負担です。

交通費一律支給

面接参加者に対して交通費を一律で支給する企業もあります。

面接参加者の住所に関わらず面接への交通費は1,000円と定められている場合、500円で面接会場まできた参加者にも10,000円で面接会場まできた参加者にも1,000円が支給されます。

企業への交通費の問い合わせの仕方

原則、交通費支給の有無を直接確認するのはやめましょう。

交通費支給の有無が知りたい場合には「採用ページ」「求人票」などを確認し、交通費についての案内がないかを確認してください。採用ページや求人票に交通費支給の記載がない場合、交通費が支給される可能性は低いです。

そもそも交通費を支給する企業であれば、採用ページなどに「面接時交通費支給」の記載があるはずです。面接を受ける学生を集めるための武器としては十分な威力を発揮する交通費支給を企業が隠しておくはずがありません。

採用ページや求人票には記載がないけれどどうしても交通費支給の有無が気になるという方は間接的な聞き方を考えてみてください。

具体的には、「面接当日の持ち物を確認させていただきたいのですが、採用ページに記載されている履歴書以外に『交通費精算の際に必要な領収書や印鑑』など特別なもの必要であればご連絡をお願いします。」などでしょうか。

もう1つ聞き方があるとすれば、「人事に無邪気に聞く」という方法もあります。

具体的には

学生:「面接を楽しみにしてます。当日の持ち物は〇〇と〇〇で間違いないでしょうか。」

人事:「間違いないです。」

学生:「ありがとうございます。ちなみにですが交通費を支給していただけたりしますか?」

このように直球で聞いてみるのも方法です。

人事との関係性にもよりますが回答はしてくれます。

「学生だから」という理由で嫌な顔をすることなく回答してくれる可能性もあります。

ただし、面接前に評価が下がるリスクがあることは頭に入れておいてください。

筆者は「そもそも交通費が出ないなら面接を受けるのを迷う」程度の志望度で面接を受けることはおすすめしません。面接参加時の交通費は将来への自己投資だと考えましょう。交通費の金額を自己投資として使いたくない企業の選考は受けないことをおすすめします。

交通費を申請する際に必要な持ち物

交通費を申請する際には「領収書」や「印鑑」が必要な場合があります。

ただし、すべての学生が領収書と印鑑を持っていかなければならないわけではありません。

領収書が必要になるのは新幹線や飛行機などの場合です。理由としては「運賃が高額である」「運賃が一定ではない」などが考えられます。

あなたの住んでいる場所が福岡県だと想定しましょう。

福岡から東京まで飛行機で移動した場合の費用はいくらになりますか?

答えは、「どの飛行機に乗ったかで金額が異なる」です。

だからこそ企業は請求書を求めるのです。

余談ではありますが、交通費の水増し請求は「詐欺罪」に当たる可能性があります。詐欺は学生だからと許されることではありません。交通費の請求は正確に行いましょう。

企業から領収書の提出を求められた際には「宛名」を確認しておきましょう。企業名が入った領収書が必要なのか、あなたの名前が必要なのかを確認する必要があります。

ここまでは領収書の話をしてきました。

続いては印鑑についてです。

印鑑はシャチハタではなく朱肉を使う印鑑を用意しておきましょう。

筆者の経験上、シャチハタで交通費を支給してくれる企業は知りません。

まとめ

今回は就職活動で大きな負担になる「面接参加時の交通費」についてお伝えしてきました。

面接時に宿泊費・交通費を支給する企業は全体で約30%程度でした。また、交通費支給には「全額支給」「一部支給」「一律支給」の3つのパターンがあるとお伝えしました。さらに交通費の問い合わせ方法や交通費を申請する際に必要な持ち物についてもお伝えしています。

今回の記事を通して筆者がみなさんに最も伝えたかったことは「自己投資として交通費を出せないのであれば選考を受けないでほしい。交通費目当てで選考を受けるのはやめてほしい。」ということです。

本当に入社したいと思っている企業がたまたま交通費を支給してくれる企業であればこんなに嬉しいことではありません。一方で交通費が出るからという理由で企業の選考を受けるのはやめましょう。そんなことをしても誰も幸せにはなりません。本気で採用活動を行っている企業に対して失礼なのはもちろん、選考を受けている時間がもったいないと思います。

就職活動の交通費は自己投資だと考え、しっかりと投資回収ができるように就職活動を続けていきましょう。本気で就職活動をしているあなたの未来はきっと明るいはずです。