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【現地レポート】韓国の若者は今こんな趣味にハマっている|2026年・MZ世代カルチャー総まとめ

2026.05.11 調査メンバー: ソ・チェリム ジャン・ヨンジュ

はじめに|「韓国の若者がハマってるものは?」を知りたい方へ

韓国の若者文化やトレンドを最速でキャッチアップし、現地の生きた情報を発信している「韓国ワカモノLabo.」です。

「韓国の若者トレンド」と聞くと、ファッション・コスメ・K-POP・カフェ巡りあたりを真っ先に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。たしかにそれらは王道ですが、2026年の今、現地の20代の生活を見ていると、もう少し違う景色が見えてきます。漢江沿いを走るランニングクルー、カフェで黙々と編み物をする女性、ひとりで地方に向かう週末旅行者。こうした「ちょっと地味に見えて、実はお金も時間もしっかりかけている」趣味が、若者カルチャーの中心にじわじわと移ってきています。

この記事では、提供データと現地リサーチをもとに、2026年の韓国MZ世代がリアルにハマっている趣味とライフスタイルをまとめました。韓国マーケティングを検討している日本企業の方が「次に何が来るのか」を考えるヒントになれば嬉しいです。

1. 韓国Z世代の趣味、地殻変動が起きている

少し前まで、韓国人の趣味ランキングといえば「登山」が定番でした。中高年男性の象徴のような存在でしたが、2024年の調査では趣味1位の座をゲームに譲り、ランキング自体も大きく塗り替わっています。

調査では、ゲーム、運動・ヘルス、登山、映像視聴、ウォーキング、音楽鑑賞、読書、ゴルフ、釣り、旅行が上位に並びました。注目すべきは、「登山一強」だった時代から「みんなバラバラの趣味を楽しむ時代」に変わった点です。特に20〜30代では、ランニング・ピラティス・編み物・ひとり旅など、ライフスタイルに直結する趣味への分散が進んでいます。「何が流行っているか」より「自分にしっくりくるか」を優先する流れが強くなっており、男性のピラティス参加が増えるなど、性別の境界も曖昧になりつつあります。

2. ランニングは「ブーム」から「文化」へ

2026年の韓国を語るうえで外せないのが、ランニングです。韓国ギャラップの調査では、ジョギング・ランニングの経験率が2021年の23%から2023年には32%へと増加し、国内のランニング人口は1,000万人を超えると推定されています。

特徴的なのは、単に走るだけでは終わらない点です。仲間と走るランニングクルー、走った後のブランチ、ランニング+ショートトリップを組み合わせた「ランケーション」など、コミュニティ・コンテンツ・ファッションが交差する文化プラットフォームになっています。2025年の韓国国内のランニング関連検索数は前年比で約3倍、取引額・購入者数もそれぞれ150%以上の伸びを記録したとされ、購入者の70%以上を20〜30代が占めるそうです。日本企業がスポーツ・ヘルス領域で韓国市場に入るなら、「ランニングをハブにしたライフスタイル提案」は外せない切り口になりそうです。

3. 「歩く」ことがいちばん人気のスポーツに

https://mediahub.seoul.go.kr/archives/2012338

韓国人がもっとも好んで行うスポーツは、実は派手な競技ではなく「歩くこと(ウォーキング)」でした。20年近く1位だったサッカーを抜き、初めてウォーキングがトップに立った形です。

背景には、ケガのリスクが低く年齢を問わず続けやすいこと、スマートウォッチで活動量が見える化されたこと、そして「歩いてポイントが貯まる」ヘルスケアアプリ(ソウル市の「손목닥터9988」、「캐쉬워크」など)の普及が挙げられます。歩数アプリでポイントを貯める「歩きアプテック(앱테크)」も若者の日常になりつつあり、「健康になりながらお得にもなる」という二重のインセンティブが、ウォーキングを生活インフラ的な習慣に押し上げています。

4. 編み物が、MZ世代の「映え趣味」になっている

https://www.jk-daily.co.kr

意外に思われるかもしれませんが、編み物が韓国の若い女性のあいだで静かなブームになっています。カフェやコワーキングスペースで毛糸を取り出して編み物をする若者が増え、SNSでは「#뜨개스타그램(編み物グラム)」のようなタグが日常的に投稿されています。日本のホビー業界でも「世界的に編み物がZ世代のブームになっており、韓国・欧米でも盛り上がっている」と紹介されるほどです。

人気の理由は、始めるコストが低いこと、スマホから一時的に離れられる「デジタルデトックス」になること、完成品をSNSにアップする楽しみがあること。「無心で手を動かしたい」という気持ちと、「作ったものを共有したい」という承認欲求が同居している点が、いかにもMZ世代らしいハマり方です。手仕事系の趣味は今後、コスメ・アパレル・カフェ業態とのコラボ余地も大きそうです。

5. 「ひとり時間」を全力で楽しむ:혼여행(ひとり旅)혼술(ひとり飲み)

韓国旅行トレンドのなかで近年もっとも顕著なのが、ひとり旅(혼여행)の広がりです。少し前までの韓国は、ひとりで食事をする「혼밥(ひとりごはん)」自体に心理的なハードルがあり、飲食店も2人前からしかオーダーできないケースが珍しくありませんでした。今はその空気がガラッと変わり、1人席を備えた飲食店、小さなひとり飲みバー、ひとり旅Vlogのコンテンツ化が同時に進んでいます。

たとえば済州島で生まれ全国に広がったひとり飲みバー「자유의지(自由意志)」は、「ひとりで来ても、ひとりじゃないと感じられる場所」というコンセプトで支持を集めています。「他人と無理に絡まなくていい。でも、ゆるくつながれる場所がほしい」というMZ世代の感覚に、こうした空間がぴったりハマっています。日本企業が観光・飲食・宿泊領域で韓国向けに展開するなら、「ひとりで行ける/ひとりで楽しめる」設計は今や前提条件と言えそうです。

6. ドラマ・映画の聖地巡礼が「目的型旅行」を生んでいる

韓国の若者の旅行スタイルでもうひとつ強いのが、コンテンツ聖地巡礼です。ドラマや映画の撮影地を訪れ、「あの場面と同じ場所で写真を撮る」ことを目的に旅程を組む人が増えています。SNSが旅程設計の起点になり、「どこを見るか」より「作品の世界をどう再現するか」が重視される傾向があります。

最近は特定テーマに絞った目的型旅行も広がり、大田の有名ベーカリーを巡る「パンタクシーツアー」や、サウナ体験を共有する「サウナシュラン」のように、取り組みそのものをコンテンツ化して評価・共有するカルチャーが定着しつつあります。一方で、撮影地の住宅街などでは住民トラブルも増えており、観光商品を企画する側には「映える地点」+「エチケットや時間帯の案内」まで含めた設計が求められます。

7. 旅行の新しい形:「マイクロ旅行」と日本の小都市人気

長期休暇を取りにくい働き方のなかで、1泊2日・2泊3日の「マイクロ旅行」が増えています。「金曜の仕事終わりに出発して、月曜の朝に帰ってくる」ような短期型のスタイルです。「年休なしで行ける旅行」というコンセプトのYouTubeチャンネルも人気で、「短いけど確実に切り替わる」体験への需要が伺えます。

そしてこの流れと連動して、日本の小都市人気が高まっています。これまで大阪・東京・福岡といった大都市が中心だったところに、最近は松山、金沢、岡山、熊本などへの関心が伸びています。観光客が比較的少なくゆったり過ごせる、物価が割安、直行便就航で移動が楽、地域固有の文化が体験できるといった点が理由です。

たとえば松山では、韓国のパスポートを提示すると空港でクーポンが受け取れ、空港シャトルバスや松山城のロープウェイ、道後温泉などを無料・割引で利用できる仕組みが整備されているといわれています。「短時間で/低予算で/中身の濃い体験ができる」というZ世代の条件にぴったり合っており、日本の地方自治体・観光業者にとっては、直行便×小都市×韓国語対応のクーポン設計が大きなチャンスになりそうです。

https://naver.me/xjYNDFEj
https://www.wolyo.co.kr/news/articleView.html?idxno=308012
https://www.ftimes.kr/news/articleView.html?idxno=34238

8. 日本企業がここから読み取るべき3つのインサイト

ここまでのトレンドを、韓国マーケティングを検討する日本企業向けに3点に整理します。

1. 「趣味=消費」のカテゴリが分散・深化している 登山一強の時代は終わり、ランニング・編み物・ひとり旅など、テーマが細かく分かれて深く突き刺さる形に変わっています。「20代女性向け」のような大くくりよりも、ライフスタイルの粒度でセグメントする発想が必要です。

2. ひとり時間と共有欲求が同居している ひとり旅・編み物・サウナ巡りのようにソロで完結する趣味でも、最終的にはSNSで誰かに見せて共有することがセットになっています。「ひとりで完結できる体験」と「シェアしたくなる仕組み」を両立させた設計が刺さりやすそうです。

3. 「短く・軽く・濃く」がキーワード  マイクロ旅行、5kmランニング、編み物、サウナなど、伸びている趣味は「時間と費用のハードルが低く、満足度が高い」ものばかり。気軽に始められて、続けられて、シェアしたくなる。そんな設計が求められています。

まとめ|2026年の韓国は「ライフスタイルの深化」がテーマ

2026年の韓国MZ世代カルチャーをひとことで言うなら、「派手さより、自分にしっくりくるものへ」という感じでしょうか。K-POPやコスメのような華やかな分野はもちろん健在ですが、その裏側で、ランニング・編み物・ひとり旅・聖地巡礼といった「日常に根づく趣味」が静かに、でも確実に若者の時間とお金の使い方を変えています。

韓国マーケティングを考えるなら、表面のトレンドだけを追いかけるのは少し危険かもしれません。今のZ世代が「何にハマっていて、何を共有したくて、何にお金を使っているか」を生活レイヤーで観察することが、いちばんの近道だと感じます。わかもの研究所では、これからも現地メンバーの目線でリアルな若者カルチャーを発信していきます。