こんにちは!KORECインターン生の新里です。今回は、テスト期間に韓国人大学生がどういう場所で勉強しているのか、についてご紹介します。韓国人大学生の日常について、これまでも韓国在住の日本人留学生の座談会や履修申請の厳しさなどの記事で触れてきましたが、勉強場所についても日本と比べて韓国らしい特徴があります。
韓国人大学生にとっての大学のテスト
韓国では、中間・期末テスト期間になると、学校全体がそのムード一色になります。例えば、サークルやボランティア活動は、テストに備えて約2週間〜1か月前から活動をストップする団体も多くあります。
韓国人学生によれば、韓国では大学の成績が重要視されていて、一番高い成績(A+)が取れなければ、もう一度同じ科目を履修する学生もいるそうです。留学選考、就職活動などにおいて少しでも有利になるよう、テスト期間は皆勉強に必死です。超競争社会である韓国ならではと言えますね。
このような背景を踏まえて、今回着目するのは、「韓国人大学生の勉強場所」です。ある記事によれば、カフェで長時間勉強するいわゆる「カフェ勉」の若者を巡り、韓国でその対策について議論が続いているといいます。実際に学生も勉強する場所探しに大変だそうですが、一体どこで厳しいテスト期間を過ごしているのでしょうか。
勉強場所その1ー図書館
まず紹介するのが、大学の図書館です。大学のキャンパス内にあり、無料で気軽に利用できるため、授業終わりにそのまま図書館で勉強、という学生が多くいます。勉強に熱中する学生から良い刺激を受けられるということで、雰囲気の面でも人気の高い勉強場所です。そして韓国の図書館は24時間営業なので、テスト期間は夜中まで勉強する学生を多く見かけます。
一番身近で一番お金がかからない図書館の個人席は当然のように「予約制」となっています。日本ではなかなか見かけない制度かと思われます。特にテスト期間は席の争奪戦が起こります。予約専用のアプリを使って空席を確認しても、テスト前にほぼ満席状態が続きます。また図書館には、グループ課題を一緒にできるグループスタディールームも完備されています。グループプレゼン準備の際にはとても便利ですが、こちらも同様に予約制で熾烈な取り合いが繰り広げられます。
勉強場所その2ースタディカフェ
次に紹介するのがスタディカフェです。スタディカフェは、時間単位で料金が発生するシステムで、日本でいうコワーキングスペースに近い場所です。フリードリンク制で、空間もおしゃれで落ち着いているのが特徴です。無人経営で、24時間利用可能です。
以下はスタディカフェ利用の際の参考価格です。
場所によって若干の値段の差はありますが、概ね似たような価格帯となっています。入場の際に必要な入場券の種類は主に3つで、その中から選ぶことができます。
【参考価格】
▽当日券(使い切り)
2時間・・・3,000ウォン(約300円)
4時間・・・5,000ウォン(約500円)
6時間・・・6,000ウォン(約600円)
8時間・・・8,000ウォン(約800円)
12時間・・・11,000ウォン(約1,100円)
▽時間券(有効期間内に使えばOK)
50時間(有効期限8週間)・・・70,000ウォン(約7,000円)
100時間(有効期限16週間)・・・130,000ウォン(約13,000円)
▽期間券
14日・・・80,000ウォン(約8,000円)
28日・・・140,000ウォン(約14,000円)
ロッカー利用料金(4週間)・・・10,000ウォン(約1,000円)
あえて料金がかかるスタディカフェに行くことによって「勉強の効率性と集中度を最大化しないといけない」という動機づけにしているという学生もいます。また、集中力が長く続かないという学生にも適していると考えられます。
勉強場所その3ーカフェ
次に紹介する勉強場所は、カフェです。テスト期間になると、図書館だけでなく大学近くのカフェも勉強する学生でいっぱいになります。冒頭で紹介したように、カフェの長時間利用に関して現在韓国では問題になっています。カフェ側が客の回転率を重視するのに対して、図書館の個人席の不足などもあって、快適な勉強場所を求めてカフェに来る学生が多いという現実があります。
この状況を分かりやすく一言で表した造語が、「카공족」(カコンジョッ)」という言葉です。「カフェで勉強する人々(族)」を略して作られた新造語で、韓国では流行語となっています。カフェでは若干の騒音を立てても気にならず、飲み物一杯の価格で自由に好きな席で勉強できるという点で、人気のある勉強場所です。
勉強する場所その4ー自宅または自室
最後に紹介するのが、自宅での勉強です。当たり前ですが時間もお金もかからないというメリットがあります。また、室内の気温、湿度、音楽の有無など自分で空間を作り、自分だけの勉強スポットにすることができます。
同時に、自宅は勉強だけでなく休憩にも良いスポットでもあるので、それが欠点になることもあります。ベッド、テレビなど休憩をとるための手段が沢山あるため、ある程度自分で自制しながら勉強できる人たちに向いている勉強場所となります。
韓国人大学生の中には、自宅だけでなくカフェ、図書館など色々な場所を組み合わせて勉強場所を確保している学生もいるようです。
まとめ
韓国の大学のテスト期間は、学内だけでなく周囲の経済環境にも影響を与えているようです。勉強熱心な韓国人学生が、勉強する場所を確保するのにまず苦労している。そんな中でも、学生たちは様々な工夫をして、騒音や雰囲気など本人の性向に合った勉強スポットを探して、勉強しているのです。今後も韓国人学生の日常から、日本就職へのヒントになる情報を発信していきます。