日本人留学生が感じた韓国の大学、大学生

現在、KORECインターン生の中には韓国正規留学生の日本人3人が在籍しています。今回は筆者の私Rioを含めたその3名で韓国の大学・大学生について座談会を開き、語り合いました。普段の学生生活から感じる韓国の大学の特徴や韓国人学生とのリアルな関わり方など、韓国と日本の大学生活の違いは意外なところで多くの発見がありました。

自己紹介

慶北大学 経営学科のRioです。司会を務めます!

延世大学グローバル人材学科で文化メディアを専攻している、Izumiです。

崇実大学の言論広告学科に在籍しています、tomieです。

韓国の大学を目指した理由

延世大学のキャンパス

私は幼い頃に韓国に興味を持ったことがきっかけで韓国留学を目指すことになったのですが、皆さんはどんなきっかけで韓国に興味を持ったのですか?

私は韓国旅行に初めて行った際、ドラマの中の世界とは違う韓国のキラキラしていない部分に触れて、もっと韓国について詳しく知りたくなった事がきっかけです。日本の大学に2年間在学した後、退学して韓国の大学に入学を決めました。

私の場合は、英語が好きで国際系の高校に進学したのですが、グローバルな環境の下で仲良くなった在日韓国人の友人をきっかけに韓国文化に興味をもち、韓国留学を考えるようになりました。

きっかけは人それぞれですが、今までの経験の中で韓国の文化、言語、人に触れ合う機会があったという部分は共通していますね!

キャンパスが広く図書館は24時間営業!

慶北大学のキャンパス

次に韓国の大学に入って驚いたことについてお聞きしたいです。私がまず最初に驚いたのはキャンパスの大きさでした!

大学内に郵便局や銀行、書店までそろっていて私も驚きました。

学生寮もキャンパス内にありますよね!一年生の時に学生寮を利用していましたが、朝の授業に行くのが便利で良かったです。(笑)

韓国の大学と言ったら図書館も外せませんよね!24時間営業なので、いつも学生でいっぱいです。

授業が終わったら、そのまま図書館に行って勉強する人がとても多いですよね。

日本の大学に通っていた頃、図書館に行くのはテスト期間のみだったので、24時間空いてるのは本当に驚きました!実際、課題が多いので図書館通いは日常ですよね。

受講申請の厳しさは想像以上

大学のシステムについてはどうでしょうか?私は、やはり受講申請がきついです。

受講申請は戦争ですよね!日本の大学は申請・抽選制が多いですが、韓国の大学は先着順なのには驚きました!(受講申請については記事があるのでご参考に!)

申請当日は 皆PCバン(ネットカフェ)に行ってクリック戦争…本当に辛いですよね。 韓国の大学は授業の成績が第一なので、失敗すると休学をする学生も少なくないですし。

やはり韓国は就職活動の際に大学の成績も関わってくるので、みんな良い成績をとるのに必死ですよね。

それに比べて、日本の大学生は成績よりも卒業資格を満たす単位数を確保することに必死なような…。とにかく韓国の学生は「良い成績をとること」を重要視しています。

韓国の大学では、成績が悪かった教科(C以下)を再履修できるシステムもありますしね。

奨学金は完全給付型(返済なし)

崇実大学 授業の様子

日本の大学と韓国の大学を比較すると、奨学金制度の違いもありますよね。

奨学金制度は日本と大きく違っていて、韓国の大学の奨学金は完全給付型(返済なし)です。国家給付、大学給付と様々ありますが、ほとんどの大学が前学期の成績優秀者には次学期の学費を免除する奨学金を設けています。

給付型の奨学金制度があることで、勉強のモチベーションがさらに上がりますよね!韓国の大学・大学生にとって、奨学金の存在は日本よりも身近なのかも知れません。

韓国の大学は休学にも費用がかからないですよね!日本で在学中に休学をした経験がありますが、やはり費用が発生しました。( 涙 )

韓国では兵役制度のため4年間のうち1回は休学をするのが一般的ですから、休学をしない人を探す方が難しいですよね。

ゼミがない!?卒論もない!?

大学のシステムや制度にもう少し踏み込んでみますと、韓国の大学には「ゼミ」が無いですよね。

ゼミという制度自体がないですし、卒業論文がない学科も多いと思います。私の学科は卒業論文はあるのですが、ゼミはやはりありません。

私の学科は、ゼミも卒業論文の提出もありません。韓国ではゼミがない代わりに、もっと学業を深めたい場合には大学院に進む人が多い気がしますね。

TOEICスコアは900以上が当たり前

延世大学 授業の様子

韓国人の大学生と実際に交流してみて、感じた違いなどはありますか? 私はやはり、勉強に対する熱意ですね。図書館やカフェなどで勉強をしている学生を見て自分も頑張らなくてはな、と刺激を受けます。

私は英語が堪能な学生が多いことに驚きました。多いというよりむしろ「英語ができて当たり前」。韓国の学生はTOEICは基本的に900スコア以上を持っているのが一般的で、日本とのギャップを感じました。

英語は基本で、そこからプラスで第二言語が必要という感じですよね。やはり韓国は就職の際に「スペック重視」だから。

就職活動には大学の成績が必要なので、その分勉強をしっかりするのが韓国の大学生ですね。韓国の競争社会的な環境がそうさせてる部分はありますが、勉強に主体的に取り組んでいる、勉強に重きをおくという点においては日本との違いを感じますね。

韓国の大学に入って良かったなと感じる瞬間

慶北大学 国際交流プログラムの様子

韓国の大学に入って、具体的に良かったなと思ったことは?

やはり、勉強に対するモチベーションが上がったことです。日本の大学生の中には、頑張っている姿を人に知られたくないという雰囲気がありますが、韓国は勉強を一生懸命するのが当たり前。この環境はすごく恵まれているなと感じます。

同感です!学業に思い切り集中できるところがいいですよね!さらに私の場合は「自分の意見をしっかり言えるようになったこと」です。韓国では自分の意見をしっかりアピールしないと埋もれてしまうんです。この環境にいたら、自然と自分の意見や考えをはっきりと伝えられるようになりました。

韓国は、何事においても白黒はっきりさせる傾向にあると思います。違うことは違う、と友人関係でも自分の意見をはっきり伝えるのが当たり前なので、最初は少し傷ついたりもしましたが、今はすっかり慣れました(笑)

授業のチーム課題でメンバー同士で意見がぶつかっても、納得の行くまで話し合いをするのです。留学当初は雰囲気が悪くなるのでは?と心配したのですが、話し合い後に嫌悪な空気を出す人が全くいなくて…。むしろ今となってはそこが良い点だと思っています。

韓国の文化における「一度知り合ったら仲間(家族)」という意識がベースにあるのかな。一度仲良くなって自分のテリトリーに入ってきた人には情を与えて、家族同然に接したりしますよね。

それが過干渉的に働いてしまうことも時々あるけれど、それこそが私たちが韓国に行った際に現地の方と関わった際に感じる「お節介ならではの温かさ」の一つなのかもしれません。

これからについて

崇実大学 キャンパス内の桜並木

最後に、これから頑張っていきたいことや将来について教えていただきたいです!

私は、韓国に留学しているからこそできる色々なことに挑戦していきたいです!アルバイトやインターンもしてみたい。また、専攻分野であるWebデザインや動画作成等のスキルアップもしていきたいなと思っています。

日本の大学に通っていた時から、幅広い経験をしたいという軸があるので、残りの大学生活でも様々なことにチャレンジしながら経験を積んでいきたいです。また、韓国就職も視野に入れているので、自分の専攻分野の技術力も高め、より成長していきたいです!

まとめ

いかがでしたでしょうか?他では知ることができない、韓国の学生生活、学生が感じている考えや想いなどが盛りだくさんの座談会になりました!韓国正規留学生の座談会は第2弾も開催していきたいと思っていますので、どうぞお楽しみに!