韓国人学生が面接中に発する副専攻・複数専攻という馴染みのない言葉に疑問を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか?本記事では、その副専攻・複数専攻についてまとめました。
韓国人採用を考えている方、韓国人採用面接を控えている方に参考にしていただければ幸いです。
副専攻・複数専攻とは?
韓国の大学では、自分の主専攻とそれ以外の学科を同時に専攻することを副専攻・複数専攻と呼んでいます。
副専攻…複数の学科を履修できるが、主専攻のみ学位取得が可能
複数専攻…複数の学科を履修し、同時に学位を取得することが可能
(*大学により様々な呼び名や制度が存在しているため、詳しくは各大学のHPをご覧ください。)
副専攻は、日本の大学であると教職課程のようなものとイメージがつきやすいですが、複数専攻は皆さんに馴染みのないものではないでしょうか・・・
それでは、韓国での複数専攻について詳しくみていきましょう。
なぜ韓国人学生は副専攻・複数専攻を行うのか?
それは韓国国内での就活難が影響しています。
2021年から新型コロナウイルスの影響により、就職日本での就職率に
影響が出るとされるものの、厚生労働省・文部科学省は、2020年4月の大学生の就職率は98.0%と1997年の調査開始以来最高になったと明らかにしました。
一方で現在、韓国の大学生の就職率は約60%です。
韓国では現在就職難に陥っています。
就職難の韓国社会で内定を勝ち取るために、
自分が興味のある学科+就職の際に有利な学科
を履修する韓国人学生が多いのです。
また、韓国の就活は、
自分の専攻と職務内容が一致していて、入社時から即戦力として働く
スキルが身についているのかが大きな評価基準となります。
そのため、ビジネスで必要なスキルを身につけるべく
「就職の際に有利な学科」を履修することが基本になります。
そして、GPA平均値は、韓国国内での就活の際に大いに影響を及ぼすため、2つもしくは3つの学科を専攻しどちらの成績も上げることが重要視されています。
(GPAとは、授業科目ごとに5段階程度で評価された成績に対して段階ごとにポイントを付与し、単位当たりの平均「GradePoint Average(GPA)」を算出して、その一定水準を卒業などの要件とする制度です。
韓国国内での就活の際に大いに影響を及ぼすため、2つもしくは3つの学科を専攻しどちらの成績も上げることが重要視されています。)
韓国国内ではどう評価されているか?
日本で複数専攻を実施している大学は少数であるため、馴染みのない言葉かもしれませんが、
韓国では複数専攻が当たり前という風潮があるようです。
超就職氷河期の韓国では、複数専攻をすることは基本であり、
学生のほとんどは2つの学科の学位を取得するようです。
日本でいうと卒業所要単位の2倍の単位を取得するようなものです。
2つだけでなく、3つの学位の取得を目指す学生もいて、
学生のうちから皆就活の時に差別化できる強みやスキルのために努力しているのです。
実際に韓国人学生はどんな複数専攻をするのか?
前文でもご紹介しましたが、
韓国人学生は自分が興味のある学科+就職の際に有利な学科
を履修する学生が多いです。
特に、就職の際に有利な学科として、
文系では経営・経済
理系ではPC工学
を履修する生徒が多いです。
つまり
文系の場合…自分が興味のある学科+経営OR経済
理系の場合…自分が興味のある学科+PC工学
を履修する学生がほとんどのようです。
その中でも、2つの学科だけではなく3つの学科を履修する方もいらっしゃる一方で、文系理系を跨いだ複数専攻をする方もおり、彼らは実力主義の韓国就活では一目置かれる存在のようです。どんな科目を複数専攻してなぜその科目を履修したのかそして将来のキャリアにどう活かしていくかということも実際に面接の時に深掘りをすることもできそうですね!
まとめ
いかがでしたでしょうか。今までは韓国人学生がよく面接時に話す副専攻・複数専攻について聞きなれない方もいらっしゃったかと思います。
韓国の大学では、自分が興味のある学科+就職の際に有利な学科を履修し、学生のうちから会社で働くことを念頭に置き学習することが一般的です。学部が文系の学生でも、副専攻でIT(プログラミング)という学生も珍しくありません。是非、副専攻もチェックしてみてください。