5月になり内定を獲得する学生も増えてきた頃だと思います内定を獲得した学生の一番の悩みは「内定承諾をしたら必ずその企業に入社しなければならないのか」など、内定承諾に関することではないでしょうか?
結論をお伝えすると、「内定承諾しても必ずしも入社しなければならないわけではない」です。しかし、内定承諾を辞退する際には細心の注意が必要だということも覚えておきましょう。
今回は「内定辞退をする学生の心境」「内定辞退を受ける企業の心境」「間違った内定辞退メール」「正しい内定辞退メール」についてまとめています。
内定辞退を考えている方はぜひ最後まで読んで、正しい内定辞退の方法を理解しましょう。
内定辞退をする際の学生の心境
内定辞退をする学生の辞退理由は大きく2つです。
まずはこちらの表をご覧ください。
1つめは「志望度の高い企業から内定を獲得した」です。
表の中で最も多い「勤務地・給与などの条件の折り合いがつかなかった」と2番目に多い「他社での選考が通過した・内定が決まった」はまさにこれに当てはまります。
就職活動では、第一志望以外の企業にもエントリーしておき安心のために内定を獲得しておきたいと考える学生が非常に多くみられます。
筆者の経験上、第一志望の企業しか受けないという学生はごくわずかです。
就職活動を始めたばかりの頃に「本当に行きたい企業しか受けません」と話してくれる学生も本選考が近づくにつれて「滑り止めのために」と第一志望以外の企業にもエントリーをします。
2つめは「自己分析・企業分析不足」です。
上記の表の中3番目に多い「社風が自分に合わないと判断した」というのは、自己分析不足・企業分析不足が原因と考えることができます。
自己分析・企業分析不足だと、「本当にこの企業に就職していいのか」と不安になります。
筆者の周りに多かった不安の理由は「自分がこの企業に入って活躍できるか不安」「本当はもっといい企業があるのではないかという不安」「自分と企業の社風が本当にマッチしているのか不安」などです。
どの不安も「自己分析と企業分析の不足」が原因だと考えられるものばかりです。選考を受ける前に自己分析、企業分析を行うことで内定獲得後の不安を減らすことが可能です。
また、自己分析・企業分析不足の学生は誰かに否定されると自信がなくなってしまいます。
ここでいう「誰か」とは、親・親戚や友人などです。自分ではいいと思っていた企業を近しい関係の人に否定されることで自信がなくなってしまう学生も多くいます。
「自己分析・企業分析がまだまだ出来ていないと感じる人はこちら
内定辞退を受ける企業側の心境
内定辞退を受ける企業の採用担当者は「非常に残念である」と口を揃えます。
残念であると感じる最も大きな理由は「今まで築いてきた関係性が壊れるから」という声が非常に多くみられました。説明会や選考、人事面談などを通して一緒に内定までたどり着いた学生から辞退の連絡が届くと「関係性が壊れてしまう」と感じる採用担当者が多くいるようです。
他には「自社の魅力を伝えられなかった力不足を感じ、非常に残念である」という理由もあげられました。
筆者の周りの採用担当は「自社を誇りに思っている人」が多いように感じます。学生に対して自社の魅力を伝えきれなかったという力不足を残念に感じる採用担当者もいるようです。
採用担当者の心境からは少し離れますが、採用担当者が「内定辞退の際にせめてこれだけは教えてほしい」と思っていることをお伝えします。内定を辞退するとはいえ、一度は何かしらの魅力を感じて選考を受けた企業に嫌われないための方法でもあるのでぜひ活用してください。
採用担当者がせめてこれだけは教えてほしいと思っていることは「本当の内定辞退理由」です。
「なぜ自社が第一志望になれなかったのか」
「なぜ入社に対する不安を残してしまったのか」
「選考中にどのようなフォローがあればよかったのか」
など、学生の本音を聞くことで今後の選考に繋げていくことができます。
内定辞退の連絡は気まずく、できることなら素早く終わらせてしまいたいという気持ちがあることはよくわかります。しかし、今までお世話になった採用担当者に対してできることは最大限にすることが今後も関係を続けていく上で効果的だと考えます。
間違った内定辞退メールの例文
まずは間違った内定辞退メールの例文をご覧ください。
例文を見ながらどの部分を改善していけばいいのかも考えてみてください。
件名:選考に関するご連絡 本文: 〇〇株式会社人事部採用担当 〇〇様 このたびは、採用内定の通知をいただき、誠にありがとうございました。 選考を通して〇〇株式会社の魅力を教えていただき本当に感謝しております。 採用担当の〇〇様をはじめ、現場社員の方や役員さんにもOB訪問や面接で非常にお世話になりました。 会社説明会、リクルーター面談、面接などに貴重なお時間を割いていただき、ご期待をいただきありがとうございました。 しかし、自分の適性に鑑み貴社の内定を辞退させて頂きたくご報告申し上げます。 ——————– 署名 内定太郎(ナイテイタロウ) |
どの部分を改善すべきかについて考えることができましたか?
続いては正しい例文と注意点をお伝えします。
間違った例文の何がいけなかったのか考えてみてください!
正しい内定辞退メールの例文
初めに「正しい内定辞退メールの例文」を示し、その後に内定辞退メールを作成するにあたって注意する点をお伝えします。
その前に絶対に押さえておいてほしいのが、内定辞退は「電話で連絡」が望ましいということです。採用担当者に電話をしたが繋がらなかった場合や電話番号を知らない場合にはメールで連絡をするようにしましょう。今回の例文は「電話をしたが不在だった」という場面を想定して作成しています。
「電話番号を知らない」という場合には、採用担当者に対して内定辞退の報告をしたいので時間をもらえないかという連絡をして電話またはWeb会議などで内定辞退を伝えるようにしましょう。
正しい内定辞退メールの例文
件名:【〇〇大学:内定太郎(名前)】内定辞退のご連絡 本文: 〇〇株式会社人事部採用担当 〇〇様 先日内定のご連絡を頂きました〇〇大学の内定太郎(名前)です。 先ほどお電話させていただきましたが、ご多忙のようでしたのでメールにて失礼いたします。 このたびは、採用内定の通知をいただき、誠にありがとうございました。 このようにありがたいお知らせをいただききながら誠に恐縮ですが、自分の適性に鑑み貴社の内定を辞退させて頂きたくご報告申し上げます。 |
内定辞退メールで意識するポイント①「メールの件名はわかりやすく」
内定辞退メールは件名を見ただけで「誰からのメールなのか」と「どのような内容なのか」がわかるようにしておきましょう。社会人のメールボックスには学生では想像がつかない量のメールが届きます。件名を見ただけで「誰からどのような内容」のメールが送られてきたのかがわかるようにしておきましょう。
内定辞退メールで意識するポイント②「初めに内定のお礼と内定辞退の旨を伝える」
まずは内定のお礼と内定辞退の旨を伝えましょう。その後、選考を受けたことや関わっていただいたことに対してもお礼を伝えることを意識しましょう。
内定を出すまでには採用担当者だけではなく、さまざまな人が関わっています。現場社員や役職者など、忙しい中で時間を割いて下さった方への感謝もしっかりと伝えるように意識してください。
お礼の後に本題である内定辞退の旨を伝えましょう。
結論を先延ばしにしてしまっては読みにくいメールとなってしまいます。
面接同様に結論ファーストを心がけ、結論の後に背景や理由を伝える構造を意識してください。
例文では「自分の適性に鑑み」という理由を述べていますが、本来であればより詳しく辞退理由を書くことが望ましいと言えます。前述の通り、採用担当者は「本当の内定辞退理由」を知りたいと思っています。内定辞退の連絡は心苦しいですが、本当の内定辞退理由を伝えることで採用担当者に貢献できることを覚えておきましょう。
内定辞退メールで意識するポイント③「内定辞退に対する謝罪」
内定辞退は学生の権利であり、謝罪する必要はないと考える人もいるかもしれません。しかし、企業は内定を出すまでに非常に多くのコストをかけています。
採用担当者だけではなく、現場社員や役員などの時間も割いていただいたことに対して感謝と共に謝罪の気持ちを伝えましょう。
まとめ
内定辞退をすることは「悪」ではありません。しかし、内定辞退をすることで様々な方に迷惑をかけることは認識しておきましょう。サイレントでの辞退など絶対にしてはいけません。
内定辞退をする際には選考で関わっていただいたことに対する感謝の気持ちや、内定をいただいたにもかかわらず辞退することへの謝罪の気持ちをしっかりと伝えるようにしてください。
また、採用担当者と良好な関係を維持するために内定辞退の本当の理由を伝えることをおすすめしました。せっかく出会えた縁を大切に今後の人生を歩んで行きましょう。
【参考サイト】
https://mynavi-agent.jp/dainishinsotsu/canvas/2020/01/post-289.html#sec1-3
https://www.capla-tensyoku.jp/useful/contents-naiteijitai.html