ぼくたちは習慣を味方にできる 前半

2018.09.03

竹取の翁(おきな)といふものありけりの翁です。
正直なところ、記事ってアップロードした人の記事一覧がサジェストされるので、あまりこのHNも意味がない気がするのですが……。
そして現状、HNを使って記事を書いている人がほぼ私だけなのですが……。
ですが…ですが……。

ですがこれはすべて気のせい。
私は意外にもこの書き出しが気に入っているので、誰が書いているか丸わかりだろうとこの翁という名を名乗っていきたいと思っています!強い意志で!

夏休みもとっくに終わり、10月も半ばに差し掛かろうとしているこの頃。
私もみなさんも、秋学期に慣れ始めた頃ではないでしょうか。
私は夜間学部に通っているので、実際長期休暇だからといって暇になるかと言えば、授業がある今と対して変わらなかったのですが、一般的な昼間部生はそうでないはず。

夏休みというイレギュラーな時間が終わって、学校が始まり日々のルーティーンが戻った。こんな人が大半かなと思います。
というわけで、今回はルーティーンーーー習慣をテーマとして書きたいと思います。

この記事は前編・後編と分かれており、更にはそれぞれにもくじもつけた形となっております。
最初から読んでくださっても、忙しい方は気になる見出しから読んでいただいても大丈夫な仕様となっているので、ご活用くださいませ!

〜もくじ〜
ぼくたちは習慣を味方にできる 前編
 ・ぼくたちは習慣で、できている?
・ぼくたちに意志力は、存在する?
ぼくたちは習慣を味方にできる 後編 
・ぼくたちは報酬を、求めている?
・ぼくたちは習慣で、できている!

ぼくたちは習慣で、できている?

「ぼくたちは習慣でできている」、ここ最近ヒットしたこのタイトル、聞いたことがある人は多いのでは?

自己啓発本のタイトルで習慣という文字が入る本なんて山ほどありますよね。
私自身、自己啓発本は買ったところで意味がないという経験則に従って、本屋へ行っても自己啓発本コーナーは避けるのですが、そんな私がこの本を手に取ったのは理由があります。

「僕たちは習慣でできている、あれはただの自己啓発本ではなくて、行動経済学を元にしているからとても腑に落ちた」

そんな口コミを見たからです。

みなさん、行動経済学はご存知でしょうか?
実は私、この行動経済学という分野に興味を持っていまして、ゆっくりゆっくりと「予想通りに不合理」、「ファスト・スロー」を手始めに行動経済学の本を読んで(積んで)います。

行動経済学とは、人は必ずしも合理的な判断をしない、ということに着目して、人間の行動を心理学に基づき経済的に解明する学問です。
といっても盛んになり始めたのは最近で、行動経済学で有名なリチャード・セイラー氏がノーベル賞を受賞したことでより一層認知されるようになった、まだまだ新しい学問です。

この行動経済学、意外に読んでみると面白くて、検証や日常にあふれている事例などから議題を拾ってくるため、体感としてはかなり取っつきやすい学問に思います。

私は残りの学生生活を通して、よりこの学問について詳しく知りたいと思うくらいに面白いと思っているので、ぼくたちは習慣でできている(以下ぼく習)の上記に書いた口コミを見て興味を持ちました。

なるほど、行動経済学。
自己啓発本はあまり好きじゃないと言えども、これは流行りに乗って買ってみるのも手かもしれない。

鉄は熱いうちに打てということで、その情報を知った次の日にアマゾンでポチり(買い)ました!

今をときめく本なので、本屋に行けば自己啓発本コーナーに平積みしてあったのですが、毎度ながら自己啓発本をレジに持っていくことに対して底知れぬ恥ずかしさを感じる女なので、アマゾンを頼りました(笑うところです)。

さて、ぼくたちは習慣でできている、ですが。
本を開いてすぐのカバーの袖部分にこのような言葉が書いてあります。

We are what we repeatedly do. Excellence, then, is not an act, but a habit.

アリストテレスのニコマス倫理学の一説とされる文脈です。
(実際には、ニコマス倫理学にこの言葉はないらしく、別の方がアリストテレスの議論をまとめている文章の一節であるそうです。因みにニコマス倫理学で該当するとされているのは、以下。
“Excellence is an art won by training and habituation. We do not act rightly because we have virtue or excellence, but we rather have those because we have acted rightly. We are what we repeatedly do. Excellence, then, is not an act but a habit.”)

まさにこの本を表す言葉!と読み終えた今は思います。
さすが表紙カバーの折り返し部分に書かれているだけある!

この本はずっと、アリストテレスのこの言葉を詳しく順を追って説明しているにすぎません。
私たちは「意志を持って、信念を持って宣言することで、何かを成し遂げることができる」と勘違いしているということ。
私たちが何かを成し遂げるには、何よりも習慣にしてしまうことが一番の近道であること。

332ページに渡って書かれている内容を一言でまとめるならば、タイトル通り、「ぼくたちは習慣でできている」そのままだと思います。
安直すぎて我ながら言葉もでないまとめ方ですが!(笑)

でも、私たちは習慣でできていると言うけれども、その根拠はどこに。
大体、意志は関係ないってどういうこと。

この本はタイトル通りの中身です!だなんて言っても、この本を読んでない人は間違いなくそう思うかと思います。

本当にぼくたちは習慣でできているのか。
その理由は「意志」がキーワードです。

ぼくたちに意志力は、存在する?

私たちは何かをする、したい時にそれが継続できた場合は「意志力が強い」、三日坊主などで継続に至らなかった場合は「意志が弱い」とします。
それは私たちが何かをする時、したい時、当然のように意志を持って行うと思っているからです。

では私たちは本当に意志を持って行動をするのでしょうか?
答えはイエスですが、私たちの想像するものとは少し違います。

意志力は弱いものなのです。

具体的な例を挙げます。
例えばダイエットですが、ダイエットという意志を阻むものは食べたいという気持ちですよね。
ダイエットが成功すればスタイルが良くなりますし、自分に自信がつきます。
けれどもダイエットというものは、一日や二日その食べたいという欲求を我慢すればできるものではなく、もっと長期的な、三ヶ月や半年続けなければ実現しないものです。
つまり、一回・一日その欲求を我慢したところで、ダイエットの成功はまだまだ先にある。

私たちはあまりに先のことになると、少し魅力が落ちるように考えてしまう生き物で、すぐ実現しないと頑張ろうと思えないのです。

この一回・一日だけならいいか、そういった気持ちになってしまって、ずるずると意志を持って決めたことを先延ばしにしてしまうこと、経験にありませんか?
私は頻繁にあって、身に覚えがすごくあります…。

「この一回、あと一回ならいいか」を繰り返すうちに、予め決意した意志とは異なる行動の自分にうんざりして、がっかりし、やる気をなくして、決意したことーーー上記で挙げたダイエットを辞めてしまう。

これは意志力を下げてしまう大きな原因であり、悪循環の一つで、
「意志力は一時的な欲求や感情に左右され易く、不安や自己否定によって失われる」ということです。

つまり、意志は存在するけれども、あまり当てにはならない。
何かをする時、したい時に意志に頼るのはあまりにも不確定で、不安定ということ。

じゃあ何に頼ればいいんだよ、ということで出てくるのが想像通り習慣
意志を使わず、無意識で行うことです。

習慣は既に自分の中に取り込んでしまっている為、ルーティンワークとなり、そこに思考
の余地がほぼありません。
靴を毎回どっちの足から履くかなんてほとんどの人は考えていなくて、いつもと同じように、何も考えずどちらかの足から履くかと思います。

考えないということは意志がないということ。
意志がないということは、一時的な欲求や感情に左右されにくく、不安や自己否定によって失われにくいのです。

だから、何かをする時やしたい時には習慣でないと難しい、
つまり、アリストテレスの言葉に繋がるのです!

さてさて。
キリがいいので前編はここで一度区切ってしまって、後編ではその習慣についてもう少し詳しくご紹介ができればと思います!
この本を読んでこれをすぐに書いているので、少し解釈が異なっている部分もあるかとは思いますが、後編もなるだけきっちり書かせていただきます!
よろしくお願いします!

それから余談ですが、実は過去の記事(リンク飛ばす)でも一度触れていて、私、この「ぼくたちは習慣でできている」といった本と少し似た本を、以前に大学の教授に勧められて読んでいるんですよね。
その本の名も「GRIT」、やり抜く力という本なのです。

こちらはGRITというタイトルである通り、継続力、つまるところのやり抜く力を中心に書かれている本で、簡単に言うと「継続こそが力なり!やり抜く力は先天性でないので、今は低くとも上げることができる!様々な側面から伸ばしていこう!」というもの。
GRITでは天才と称される人間は全員GRITが強い(=めげずに行う粘り強さがある)という点で話が進められていて、今回のぼく習は扱っている話題は似たものの、アプローチが少し違う本です。
私が読んだ感じだと、ぼく習の方が実践しやすくて分かりやすく、GRITの方は良い意味で自己啓発本らしさがあるなと思いました。

この手の継続や習慣にまつわる本はたくさん出ているかと思うので、また何かこの本も似たようなことだったよ!というものがあれば是非教えてください!
読み比べてみて何度も読まないと理解しきれないので、もう少しこの手の話題についての本を私も探して読んでみたいと思います!